人気の回転すしチェーン「くら寿司」(写真:時事通信フォト)
米政府倫理局が公開した申告書類で、トランプ大統領が数億円に及ぶ「くら寿司USA」の株式を取得していたことが明らかになった。AIや半導体ではなく、日本発の回転寿司チェーンに投資していたというニュースは、日本の個人投資家にも意外感をもって受け止められた。これをどう見たらよいか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
トランプ大統領が「くら寿司USA」の株式を取得
5月19日、トランプ大統領関連のニュースが日本の投資家たちを驚かせた。トランプ大統領といえば、関税や地政学において世界中からその一挙手一投足に注目が集まっているが、今回は意外な銘柄の株式を買っているというニュースだ。
米政府倫理局が公開した申告書類の中で、「くら寿司」の米国子会社である「くら寿司USA」の株式を取得していたことが判明したのである。取得額は100万ドル(約1億6000万円)超から500万ドル(約8億円)の範囲内とされ、今年1月から3月にかけての証券取引の一環として買い付けられたという。トランプ大統領は大統領以前には経営者として、そして、投資家としても有名な人物である。その彼が「くら寿司」への投資を行う以上、日本食のグローバルな普及と、エンターテインメント性を兼ね備えた「くら寿司」独自のビジネスモデルに対する高い評価を改めて考察する必要があるだろう。
近年、日本の外食産業は原材料価格や人件費の高騰という厳しい逆風に直面している。しかし、その一方で円安を追い風としたインバウンド需要の爆発的な増加や、海外市場における日本食ブームという巨大な成長機会も広がっている。また、人手不足を背景にしたDX投資が活況であり、省人化に積極的に取り組んできていることも有名だ。
とりわけ「寿司」は世界中でヘルシーかつ洗練された食事として定着しつつあり、回転寿司というシステム自体が一種のエンターテインメントとして海外で受け入れられている。トランプ大統領のくら寿司への投資は、まさにこうしたマクロトレンドのど真ん中を射抜くものであり、投資家としてその鋭い嗅覚を見せつけた格好と言える。今回は、トランプ大統領も着目した「くら寿司」の魅力とは何なのか、その強固なビジネスモデルと最新の業績、そして株価指標の分析を通じて整理したい。
