日銀による「レートチェック」の効果は(日本銀行本店)
9月19日未明、ドル円相場が大きく円高方向に振れた。背景にあったと報じられたのが、日銀による「レートチェック」だ。日銀は前日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%まで引き上げたものの、円安基調は変わらなかった。なぜ利上げをしても円は売られるのか。そして、1ドル=158円台で実施されたレートチェックは、今後の為替介入や株式市場に何を意味するのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」、森口さんが解説する。
大型連休の始まる9月19日の未明、日本時間で午前0時前後、ドル円が突然1円以上も円高方向に振れる場面がありました。私自身、深夜にチャートを見ていて驚いたのですが、この背景には日銀による「レートチェック」があったと報じられています。今回はこの動きと、その裏にある円安の構造について解説していきます。
「レートチェック」とは何か
レートチェックとは、日銀が主要な金融機関(銀行や証券会社など)に対して現在の為替レートの水準を照会、実際の為替介入と同様の売買注文を出した上で、その後「ナッシング(注文をキャンセルする)」と伝える行為のことです。もし「ナッシング」の代わりに実際に売買の意思を示せば、そのまま為替介入が成立してしまいます。
つまりレートチェックは、いつでも介入できる状態にあることを市場に示す、いわば「介入の一歩手前」の準備段階です。口先介入による警告が徐々に強まり、それでも改善しない場合に実施されるのが通例ですが、今回はすでに介入直前の段階まで来ていたこと、近いうちに為替介入が入る可能性を市場に意識づけました。
ドル円5分足。9月18日23時50分ごろから円高へ。その後レートチェックがあったことが報道された(TradingViewより)
利上げをしても日米金利差拡大などで止まらない円安
私が注目しているのは、日銀が9月18日の決定会合で政策金利を1.25%まで引き上げたにもかかわらず、円安傾向が続いていたという点です。

