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葬祭のプロが考える「これからの葬儀」
良い葬儀社を見極める事前相談

「亡くなる前から準備しておきたい」葬儀トラブルを回避するための「事前相談」のポイント 候補となる葬儀社の選び方と相談予約までのフロー

相見積もりを取ることも大切だ(イメージ)

相見積もりを取ることも大切だ(イメージ)

 葬儀社と遺族のトラブルは増加傾向にあり、国民生活センターによれば、2025年度の葬儀トラブルの相談件数は調査開始以降初めて1000件を超えた。トラブル回避の対策として同センターは、葬儀社と事前相談を行うことを推奨している。

 事前相談とは、対象者が亡くなる前に葬儀社を訪ね、希望する葬儀の内容や費用などを相談しておくことだ。とはいえ「具体的に何をどう相談すればいいのか」と、とまどう人も多いだろう。そこで今回は、「良い葬儀社を選ぶための正しい事前相談の方法」について葬儀業界歴約30年、1級葬祭ディレクターの赤城啓昭氏がくわしく解説する。【良い葬儀社を見極める事前相談・前後編の前編】

事前相談に行ってみたが「良い葬儀社」が分からない

 東京都世田谷区に住む山本さん(58歳・仮名)は、入院中の父親の容体が思わしくないことから、妻に勧められ、最寄りの駅構内に広告を出していた自宅近くの葬儀社へ事前相談に出向きました。ただ、葬儀社に相談するといっても、山本さんは具体的に何を訊いたらいいかがさっぱりわかっていません。「行けば何かがわかるだろう」程度の、ふんわりした姿勢です。

 にこやかに迎えてくれた男性担当者は、右も左もわからないままやって来た山本さんに葬儀の流れを説明し、祭壇や棺が掲載されたパンフレットを見せながら、料金についても一通り説明してくれました。1時間ほど話を聞いた山本さんは、「そんなものかな」と思いながら帰宅しましたが、妻から「それで、その葬儀社は良かったの?」と聞かれた時、答えに詰まりました。

「別に問題は無かったよ。でも、『良かったか』と聞かれると……」

「もう1社まわってみたら?」妻にそう促されて、ネットで調べた大手葬儀社の葬儀会館も翌日訪問してみました。こちらの女性担当者も、見栄えの良いパンフレットを見せながら、そつなく対応してくれました。おそらくある程度マニュアル化されているのでしょう。今度も、特に引っかかりを感じるところはありませんでした。

 両社からもらった見積書の総額はだいたい同じくらいです。どちらかがひどい対応だったり、見積金額がものすごく違ったりしたら、「いい」「悪い」の判断をつけやすいのですが、こうなると選択は難しい。妻は山本さんの優柔不断な態度に少しあきれているようですが、山本さんにだって言い分があります。

「いったい何を基準に選べばいいのか?」

 いまだに山本さんは葬儀社を決められず、頭を抱えています。

次のページ:事前相談で「時間不足」と「情報不足」の問題を軽減できる

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