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「獺祭」旭酒造・桜井博志会長、72歳でNY移住へ 英語はできなくてもアメリカ進出決断

酒米についても日本産に加えてアメリカ産を調達する予定

酒米についても日本産に加えてアメリカ産を調達する予定(写真/旭酒造提供)

「言い出したのは私」

 会長自らがアメリカに渡ると決断した理由は、「私しかいない」からだ。

「これまで切った張ったをやった経験がありますしね。社長(長男の桜井一宏氏)は全体を見なければいけなくて、アメリカに専念するわけにいかない。そうなると、現場で陣頭指揮を執れるのは私しかいない。私は会長と言っても代表権がなく、会社の株も今は1株も持っていないので、役員会から出て行けと言われたらクビですし、社長からアメリカに行けと言われたら、行くしかない。まあ、アメリカに蔵を建てると言い出したのは私なんですけどね」

 ニューヨークの移住には妻も帯同する。

「何度も言っていますが、アメリカに行くのは嫌なんです(笑)。英語は全然できないし、車のハンドルは左についている。ただ、私たちは寿司や和食で育ったわけじゃなくハンバーグやカレーを食べて育った。そう考えると、そんなに大変じゃないなと思っていますよ」

 今年9月には、ニューヨークのハイドパークでオープニングセレモニーを開催し、初めて出荷する「DASSAI BLUE」を参加者に振る舞うことが計画されている。

 72歳の挑戦がいよいよ始まる。

※週刊ポスト2023年3月31日号

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