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「コンビニバイトも続かなかった…」選択定年制で55歳で退職、海外移住を夢見るバブル世代男性の“理想と現実”

選択定年制で退職した後に直面する、様々な苦労とは(イメージ)

選択定年制で退職した後に直面する、様々な苦労とは(イメージ)

 定年延長や再雇用制度で60歳以降も同じ会社で働き続ける人もいれば、選択定年制度で早期退職する人もいる。選択定年制度は、50歳や60歳など自身で定年退職する年齢を設定可能で、退職金の額も優遇されるといったメリットもある。自分の人生設計を自分で選択できる制度だが、現実問題として、それを利用したからといって、思い描いていた通りの人生が送れる人ばかりではないだろう。

 人生100年時代、会社を辞めた後も長い人生は続き、そこにはまた新しいドラマが待っている。選択定年制度を利用して55歳で退職した後、理想と現実の違いに直面しながらも前向きに生きようとしている男性のリアルケースをもとに、定年後の人生の過ごし方を考えてみよう。

「バブルじゃなかったら入社できなかった」

 1年前、選択定年制で大手上場企業を退職した都内在住の56歳・コウジさん(仮名)。バブル期の入社だ。

「スポーツ推薦で高校に入り、系列の大学にエスカレーター式で進学しました。いわゆる中堅私大でしたが、就職は面接を受ければ受かる時代。受かった中でも一番規模が大きく安定している会社を選びました。

 会社員時代、海外赴任も経験しましたが、同期の中では全く出世していません。役職もつかないままでしたしね。でも、私がこんなに大きな会社にいさせてもらえるというだけで、ありがたいと思っていました。バブルじゃなかったら、絶対に入社できないところですから」(コウジさん、以下「」内同)

いつかは海外で働きたいという思い

 コウジさんは30歳で結婚し、都内の新興住宅街に戸建てを購入。妻は医療系の仕事に就いており、4月から高校生になる息子もいる。一見、順風満帆な人生に映るが、心の中に引っかかっていることがあったという。

「独身時代の海外赴任経験から、いつかは海外で働きたい・暮らしたいという願望が大きくなっていました。でも、新しい世界に飛び込めば、私の能力では給与が減ることは避けられない。総合的に考えて、自分の意思を殺して、会社にしがみつくしかありませんでした」

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