家計

住宅ローンの支払総額を抑えるには“返済前半の金利”が重要 「最初の10年間で約半分の金利払い」

変動金利と固定金利をどう選ぶか

「住宅ローンは最初の10年で金利総額の約半分を支払う」と説明しました。ここから何が言えるのでしょうか。それは、「最初の10年間の金利をいかに低く抑えるか」が肝だということです。低金利で最初の10年間を通過することができれば、35年間の金利総額をより低くすることができます。

 ですので、元利均等返済においては、返済期間前半の金利が低ければ低いほど、トータルの返済金額を抑えることにつながります。もし返済期間後半に金利が上昇しても、返済期間前半に比べると実はそこまで大きな問題ではないと言えるのです。

 2023年5月現在、一般的な住宅ローンの変動金利は0.3~0.5%程度、固定金利は1.8%程度と大きな差があります。ゆえに、変動金利と固定金利を選ぶにあたっては、「今後、金利が上昇するとしても、それが返済期間の前半に起きなければ、変動金利を選ぶほうが有利」と考えることができます。

 次回以降、金利の具体的なシミュレーションをしてみたいと思います。

【プロフィール】
塩澤崇(しおざわ・たかし)/住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の取締役COO。モルガン・スタンレー証券にて住宅ローン証券化を担当。その後、ボストン・コンサルティング・グループにて大手金融機関などを中心とした戦略コンサルティングに従事。現在は住宅ローンアナリストとして、テレビや新聞などに登壇。TwitterやYouTubeで住宅ローンの最新情報を発信中。SNSでは「モゲ澤」という別名も。

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