中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

若い世代が「古い」と感じるフェイスブック 生き残る道は「高齢者向けSNS」としての役割か

今後はますます高年齢層が目立つようになる?

 さて、こうした状況を踏まえて、あらためて若者のフェイスブックに対する印象を聞いてみました。

「同世代があまり更新しないからそもそも見に行かない」
「年上の人が財力を自慢しているみたいに見える」
「会社を退職した人が、感謝の思いを延々とポエムのように書いている印象」
「なんでこんなこといちいち他人に伝えるの?と思うことが多い」
「コメント欄でたまにケンカする人がいるのを見てられない。匿名の人同士のケンカだったらそこまで気にならないけど、知人同士ってのはイヤだ」

 どれも、もっともな理由だと思います。あと、大きいのは若者にとってSNSって匿名でやる方が心地よいんじゃないですかね。SNSやブログの出始めの頃は、新聞が「匿名で責任のない発言を書けるインターネットはけしからん!」という論調で批判していたため、上の世代にとっては「匿名=悪の巣窟」的な考えもあるのでは。そんな時に実名制のフェイスブックが登場し、「あまり荒れない」「場をわきまえている」という要素が絶賛されたのです。

 しかし、若者からすれば、よそよそしい感じがあるでしょうし、気持ちの悪い馴れ合いとお追従が展開される場所だと思ってしまったのでは。そのうえで、上記のような感覚を抱くからフェイスブックから距離を置いてしまう。というか、初めから近づかない。

 私の場合、頻繁に更新する「ともだち」でもっとも若い人は39歳です。若い人は転職した時や子供が生まれた時、結婚した時など、特別なイベントの際に知人にアナウンスするツールとして使っている感じです。「何を食べた」「今日腹が立つことがあった」「今から飛行機に乗る」「iPhoneの新しい機種は買うべきか?」「夜景がきれいだ」――こういった投稿をするのは40代より上の世代が圧倒的に多いです。

 これから続々と、人口の多い世代が退職するようになります。となれば、暇が増えるため、フェイスブックはますますヘビーに書き込む高年齢層が目立つようになるのではないでしょうか。それはそれで生存確認にもなりますし、交流の機会にもなるので良いことです。ここはもうフェイスブックの運営も思いっきり高齢者向けSNSとしての方向性を鮮明にしていけばいいと思います。

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