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投資家は「有価証券報告書」をどう読み解けばよいのか 億り人投資家が解説するチェックポイント

有価証券報告書の見方

 それでは具体的に見てみましょう。有価証券報告書の情報量は膨大ですが、ポイントとなる経営指標の一覧は、表紙、目次の後にある最初のページ(第一部【企業情報】第1【企業の概況】)に記載されています。

 このページに目を通せば、過去5年分の必要なデータを確認することができます。下の図はNTTの有価証券報告書の一部抜粋資料です。

NTTの有価証券報告書の一部抜粋

NTTの有価証券報告書の一部抜粋

「【1】営業収益(売上高)」「【2】税引前利益」「【3】EPS(1株利益)」「【4】株主(自己)資本比率」「【5】ROE(株主〈自己〉資本利益率)」「【6】営業活動によるキャッシュ・フロー」「【7】現金及び現金同等物の期末残高」など、投資判断に必要な経営状況の推移を確認することができます。

 また、最近では、数多くの企業が個人投資家向けの情報発信に積極的になってきていて、スライド資料を用いて業績の推移を説明しているケースも増えてきました。こういった資料を活用するのもよいでしょう。

 大切なのは、「必要な情報を得られるかどうか」です。色々と試して、自分に合った情報収集の方法を模索してみてくだい。

 次に説明するINPEXは、有価証券報告書から抽出したデータをまとめた経営指標等の一覧表とあわせ、有価証券報告書を抜粋して、具体的にどの部分から数字を拾っているのかを掲載しました。何がどこに記載されているのかを一つひとつ確認していくことで、この銘柄にとどまらず、自分が興味を持っている銘柄においても同様の分析ができるようになるはずです。最初は理解できないことが多いかもしれませんが、費やした時間や努力は決してムダになりません。有効に活用できるようになる日が、必ずやってきます。焦らずにゆっくりと理解を深めていきましょう。

 一つ、留意していただきたいことがあります。経営指標等の一覧表には「1株当たり配当額」を記載していますが、ここでの有価証券報告書の一部抜粋資料には記載がありません。

 実際の有価証券報告書での「1株当たり配当額」については、多くの企業で「(1)連結経営指標等」のページの次に「(2)提出会社の経営指標等」というページがあり、そこに記載されています。

 ご自身で調べたい企業の有価証券報告書を確認する際は、この点に留意してください。なお、本稿では、株式分割のあった銘柄は分割調整後の数字を掲載しています。

 それでは、実際にデータを確認していきましょう。

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