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【文字が読めない・書けない】世間に“勉強不足”と叱られ続ける「ディスレクシア」の生きづらさ

トム・クルーズも自身がディスレクシアであることを公表している(Getty Images)

トム・クルーズも自身がディスレクシアであることを公表している(Getty Images)

ディスレクシアでも読みやすい「ユニバーサルフォント」

 ディスレクシアのなかでも「文字を書くのが苦手」という症状は「ディスグラフィア(書字表出障害)」と呼ばれる。大学でアクセシビリティの研究をしている女性・Bさん(40代)は、このように話す。

「受験を勝ち抜いてきた大学生のなかにもディスレクシアやディスグラフィアは存在します。リアクションペーパーを手書きで書かせると、明らかになることが多いです。たとえば、子どもによくみられる現象ですが、文字が鏡文字になることや画数の多い漢字を覚えられない、誤って書いてしまうという傾向が多いです。

 漢字だけでなく、カタカナやひらがなの表記を間違えることもあります。とくに『促音』(「っ」)が苦手な場合や、同じ音の『わ』と『は』が苦手なパターンもあり、大人になるにつれて周囲が指摘してくれなくなる。その結果、間違った表記をしたまま、直す機会を逸してしまうことも珍しくありません」(Bさん)

 そうしたディスレクシアの「読みづらさ」を改善するため、社会でも少しずつ環境づくりは進んでいる。誰にとっても見やすく読みやすい「ユニバーサルデザイン・フォント(UDフォント)」の導入だ。

「UDフォントは、明朝体やゴシック体などの書体と比べ、文字の太さが一律であるなど、そのものの形を認識しやすいメリットがある。そうしたフォントを導入し、ディスレクシアの方でも読みやすい環境を作ろうという動きが出てきています。SDGsが『誰一人取り残さない』ことを掲げていることから、自治体のサイトなどでもUDフォントを取り入れるところが出てきました。今後、こうした動きが進んでいくことを期待しています」(Bさん)

“文字が読めない、書けない”という症状を「努力が足りない」「勉強ができない」と断じてしまう人は一定数いる。世界的に見ても日本ではディスレクシアに関する認知度や研究が進んでいないと言われ、今後は教育現場や家庭でさらなる周知が必要になっていくだろう。(了)

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