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【なぜ日本に女性政治家が少ないのか?】現役女性議員たちが明かす「票ハラ」の実態 セクハラ怪文書、ストーカー被害も

「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2023」で政治分野のスコアが日本は146か国中138位と世界最低レベル

「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2023」で政治分野のスコアが日本は146か国中138位と世界最低レベル

 家事や育児は「女性の役割」としながら、「男女平等」の御旗のもと、男性と同じように働くことが求められるのが現代を生きる女性だ。そうした社会のオーダーに対し、「全部こなしてやる」と意気込むエネルギッシュな女性候補者は、応援どころか批判にさらされることがある。伊藤議員が続ける。

「選挙活動中は『母親なのに何で選挙に出るの』と批判されます。あるとき、子供を抱いて走っていたら高齢女性に足を引っかけられて転び、その女性に『このバカ親が』と言われました。初めての国会質疑では『1才と3才の子がいるんだろ? 母親だったら家で育児しとけよ!』とヤジられて、悲しさと悔しさで指先が震えました」

 心無い声は決して男性からだけではなく、女性からもある。

 自民党所属時代はいくつもの要職を歴任し、外交で名をはせた鈴木宗男参議院議員を父に持ち、盤石な“サラブレッド”である自民党の鈴木貴子衆議院議員は、2017年に第1子を妊娠した際、こう批判された。

「国会議員が任期中に妊娠するなんていかがなものか」

 鈴木議員が振り返る。

「『公人としての自覚がない』『職務放棄か』という声もありました。私ですらそう言われるのだから、世の女性はもっと大変な思いをしているのだろうと思い至り、自分の言葉で説明したいと夢中でブログを綴ったことを思い出します。“政治は男のものだから女はかかわるな”という意識が性別や世代を問わず根強いことが、日本の大きな課題です」

女性候補者を苦しめる「票ハラ」の正体

 伊藤議員や鈴木議員が体験したように、女性政治家へのハラスメントが非常に多いことも大きな問題だ。

「日本は“票ハラ”といわれる、立候補者に対する有権者の嫌がらせがとても多い。選挙に立候補すると自宅の住所が公開される場合もあり、ストーカー行為を受けたり、『○○をやらないと票を入れないぞ』と脅されることも日常茶飯事に起きています」(大門さん)

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