藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【好成績GPIFを真似する】1本で分散投資できる「バランス型投信」の活用術 比率変動型は信託報酬が高めな点に注意

バランス型投信が向いている人

 過去のバランス型投信の動きを見ると、コロナショックのときのような株価暴落の局面では、株式のみの投資信託よりも下落率が限定されていました。一方で、株式がおおむね堅調なときは、債券などが組み入れられていることで上昇にブレーキがかかるため、株式のみの投資信託よりリターンが抑えられています。もし20年以上の長期で運用できる人なら、株式のみの運用でも時間がリスクを相殺してくれる可能性が高いので、バランス型を選択するのはもったいなく思います。ただし、値動きの荒さに心理的負担を大きく感じる人や、運用期間を短く設定したいシニア世代には魅力的な商品です。

年齢に応じて比率が変わるターゲットイヤー型

 最近とくに注目を集めているのが、投資家の年齢に応じて、株式などの比率を一定のルールに沿って「自動的に」引き下げていく投資信託です。あらかじめ目標とする年(退職する年など)“ターゲットイヤー”を決めて運用を行うもので、「2035」「2040」など、ターゲットとなる年を記載した商品が多くあります。人生後半に向かうにつれて、株式中心の攻めの運用から、債券中心の守りの運用へ、少しずつ資産配分を自動的に変更してくれるため、自分で売買する手間が省け、楽ちんです。

バランス型投信選びの注意点

 バランス型投信は、中身が多種多様のため、成績にもバラつきがあります。純資産残高上位30本の10年リターンをみると上位3本は上昇率が2ケタ近いのに対し、下位3本はかなり低迷しています。比率変動型のほうが信託報酬が高めであることもリターンに影響していそうです。

 自分に合った資産配分を最初から見極めるのはむずかしいものです。たとえば最初にオーソドックスな4資産に分散する比率固定型のバランス投信に投資をし、途中で物足りなさを感じたら株式比率の高いものに乗り換え、逆に値動きが気になるようなら債券比率の高いものに乗り換えるなど、臨機応変に商品を変更するという選択肢もあります。自分にとって居心地がよい資産配分を見つけましょう。

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