家計

【細野真宏氏の家計管理術】家計簿に関する典型的な誤解 「面倒で続かない」「ラクなものほど便利で効果的」は本当か?

【誤解3】「家計簿が高くてどうする!」は本当?

細野氏:ここ数年は「物価高」時代と言われているようにモノの値段がどんどん上がっていっているよね。原材料費が上がれば、それに合わせてそれぞれの商品の値段が上がっていくのは当然の流れだよね。

 例えば、原材料費が値上げをしている時に、「ウチは商品の値段を据え置きにしたいから、原材料費の値段を上げるのは止めて」といくら言っても、普通は無理だよね。もしもその要求が通ったとしたら、間に入っている立場の弱い人に値上げ分をかぶらせて苦しい立場に追い込んだりすることになるからね。

 ただ、そんな中でも、「家計簿は家計の負担を抑える道具だから、家計簿が高くてどうする!」といったキャッチコピーがもっともらしく出たりもするんだよ。実は、このキャッチコピーに対して何を思うのかによって、その人の家計管理能力が見極められたりするくらいに重要なものなんだ。

 まず、「家計簿はせいぜい数百円という金額の規模」だよね。それを日々のスーパーの買い物のように、1円でも安く、とか考えるようであれば、それこそ広告の裏の白紙にメモしたりすれば無料で済むよね。つまり、この薄っぺらい表現で考え込む人は、家計管理を根本から理解できていないんだよ。

 そもそも、家計管理で重要なのは、年に1回だけで済む「家計簿の値段」ではなく、それを使うことによって得られる「費用対効果」なんだ。『家計ノート』の例で言うと、2023年の読者のアンケート調査では「1年間に節約効果が17万5396円あった」というようになっているんだよ。このように、「数百円で17万円以上も得をできる道具」という視点こそが重要なんだ。

コロ:なるほどね。そもそもアプリでも形の上では無料で家計管理ができるけれど、単に写真で撮る作業をするだけ、という自己満足で終わってしまう可能性が高いわけだね。家計簿の世界って、もっともらしい誤解が多くて、そこで思考停止してしまったらダメなんだね。とりあえず家計管理においては費用対効果という考えが一番、節約効果が見込める重要なことだと分かったよ。

細野氏:ただ、このように家計管理が上手くできてお金が貯められるようになっても、今の「物価高」時代ではダメになってきているんだよ。なぜなら、「物価高」時代というのは、お金の価値が下がってしまう時代のことだから、「貯める」だけだとお金の価値がどんどん下がっていってしまうんだ。

第3回につづく

家計のカリスマ講師・細野真宏さんがわかりやすく解説

家計のカリスマ講師・細野真宏さんがわかりやすく解説

【プロフィール】
細野真宏/経済ニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録。首相直轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、『家計ノート』が発売以来14年連続完売するなど家計管理のプロとしても活躍。シリーズ最新刊は『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2024』。

※女性セブン2023年10月26日号

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