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家計

【細野真宏氏の家計管理術】失われた30年「銀行に預ける」「株式投資をする」お金が貯まったのはどちらの考え方だったか

家計のカリスマ講師・細野真宏さんがわかりやすく解説

家計のカリスマ講師・細野真宏さんがわかりやすく解説

「物価高」で家計がますます逼迫する今だからこそ、大切なのは将来に備えて資産を増やすこと。そんな不可能に思える難題に、『家計ノート』で知られる家計のカリスマ講師・細野真宏さんが挑みます。まずはクイズを出題。その後、消費者代表の「コロちゃん(以下コロ)」との会話形式で疑問に答えます。【全3回の第3回。第1回から読む

【家計管理クイズ】
「次の2つのうち、この30年間でお金が多く貯まったのはどっちの考え方か?」

(A)「失われた30年」という表現をよく見聞きするように日本経済は悪化を続けているので、貯金は銀行に預けておくのが安心

(B)日本企業は、世間で言われているほど悪くはないので、株式投資をしておいた方が着実に貯金を増やせて安心

コロ:Aの場合は、実際にニュース番組などで専門家が“失われた30年”って言っているから本当なんだろうね。それに実際に経済はいつまでたっても良くならないし、銀行にお金を預けておけば元本保証だから安心できるね。

 Bの場合は、経済が良くならないのに日本企業の状態が全般的に良いとは思えないから株式投資は少し危ない気がするかな。だから、安心で安全なAの方が30年間でお金が貯まる考え方だったと思う。

細野氏:何となくイメージだとそういう風に思うよね。ただ、いろんな誤解から思考停止が起こってしまっているんだよ。まず、そもそも「失われた30年」とか言われ続けているけれど、何を失ったのかな?

コロ:う~ん、それはやっぱり経済成長なんじゃないのかな? 実際に経済は、いつまでたっても全然良くならないから。

細野氏:なるほど、そのように考える人が少なくないみたいだね。だけど、それは「大人の成長」と「子供の成長」の話をゴチャゴチャにしたような、もっともらしい勘違いなんだよ。

 例えば、かつての日本の高度経済成長期のように急速に成長している中国などの場合は、分かりやすいよね。これは、中国経済はまだ「子供の成長」の状態だからなんだよ。子供は1年の間にずいぶんと大きくなるよね。だから、成長が実感しやすくなるんだ。

 一方で、日本などのように、もう十分に成長した経済大国は、すでに「大人の成長」の状態なんだ。だから、1年間で分かりやすい成長の実感なんて、そもそもできないものなんだよ。例えば、本当に「失われた30年」といった状態が続いているのなら、日本の生活は30年前から変わらないという話になるよね? これは本当なのかな?

コロ:ずっと経済が良くなったと感じたことはないから、本当なんじゃないのかな?

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