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「相続トラブル」は財産の過多と相関するわけではない 影響しやすいのは相続人の数や関係性、不動産も火種になりがち

 中には、自宅や家業は長男が相続すべきだと思い込んでいる人も少なくないが、法律的には、兄弟姉妹間での相続の権利に上下はない。

「長男かどうかよりも、その不動産に住んでいるかどうかや生活状況といった現実的な部分を総合的に勘案して取得する人を決めるケースの方が多いのです」

 不動産相続のトラブルは「取り合い」だけではない。維持費や売却の手間がかかったり、売れても二束三文にしかならなかったりして「負の財産」になることも多いためだ。さらに来年4月からは相続から3年以内の不動産登記の義務化も始まるため、不動産をめぐる相続トラブルはますます増えることが予想される。

トラブルを予防できるのは“正しい遺言書”

 親族同士の込み入った話し合いや煩雑な手続きにうんざりする人も多いだろうが、「もらえて当然の財産」など存在しないはずだと、的場さんは言う。

「例えば親が亡くなったとき、その子供には財産を継承する権利があります。ですがどんな場合も、しかるべき法的な手続きを終えなければ相続することはできません。だから遺産分割協議や遺言書が必要なのです」

 長男だから、介護をしたから、といって「自分が相続するのが当然だ」と思っていると、後で痛い目を見ることになるかもしれない。

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