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「まるで魚の鱗みたい…」 大ブーム「樹木葬」選びの難しさ、都市部では狭い場所にギュウギュウ詰めで呆れる声も

本人のイメージと合致しているかが重要

本人のイメージと合致しているかが重要

狭い範囲に40くらいのカロートがギュウギュウ詰め

 樹木葬にもいくつか種類がある。どのようなタイプを望んでいるのか、検討する本人がはっきりイメージできていないと、選ぼうにも選べない。佐藤葬祭代表の佐藤信顕氏は、次のように説明する。

「そもそもの樹木葬は、広大な山そのものを墓地として登録し、シンボルとなる樹木の周りにお骨を埋めるやり方を指すものでした。最近では『里山型』と呼ばれています。埋葬から年月が経つと、骨は分解され、最終的に自然に還る」

 岩手県一関市にある知勝院が1990年代に始めたのが嚆矢とされる。その後、都市部でも、「樹木葬」を謳う寺院や神社が急増した。

「里山型では、お骨を直接土に埋めるタイプが主ですが、都市部の樹木葬はシンボルツリーの周りに1~6人程度の骨壷を収めることができるカロート(納骨式)を並べて配置したものが多い。なかにはシンボルツリーすらなく、従来の墓地の隅っこに樹木葬墓地と称する場所を設けているだけのタイプもあります」(佐藤氏)

 前出のAさんは自身の体験をこう語る。

「都内にある樹木葬墓地をいくつか見学したのですが、狭い場所にまるで魚の鱗みたいに小さなプレートを並べているお寺さんもありました。2m×4mほどの場所に、ざっと数えただけでも40くらいのカロートが配置されていました。それぞれの価格が最低でも100万円と聞かされ、高いとか安いとかより、“こんなにギュウギュウ詰めなのか”という思いが先にきて、その後の説明が頭に入ってこなかった(笑)」

次のページ:都市部から離れれば敷地が5万坪ある里山型樹木葬も
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