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【日本EVの逆襲はあるか】ようやく始まった反転攻勢 トヨタは電池生産への投資加速、ホンダはソニーと“車のスマホ化”へ

ソニー・ホンダモビリティのEV「アフィーラ」(時事通信フォト)

ソニー・ホンダモビリティのEV「アフィーラ」(時事通信フォト)

「感性」と「機能」の融合

 スマート化とは、“車のスマホ化”と言ってもいいだろう。中国の消費動向によると、いわゆるZ世代はEVをスマホのように気軽に買い替えるのだという。車には燃費効率などの「機能価値」と、楽しい・便利といった数値では示しにくい「感性価値」がある。これまでは機能価値が求められていたが、スマホに慣れた世代は「感性価値」を重視するようだ。

 ゲームや音楽、映画などエンターテインメント事業も得意とするソニーと“クルマ屋”であるホンダの提携は、この感性価値と機能価値の融合を目指すものと言える。

 2年前に筆者は、ソニー・ホンダモビリティで社長兼COOを務める川西泉氏にインタビューした。ソニーがなぜ自動運転などの自動車ビジネスに取り組むのかが大きなテーマだったが、川西氏はこう答えた。

「過去10年を振り返ると、スマホの登場でライフスタイルが激変した。これからの10年を考えると、さらに大きな変化が起こる。EVシフトを含めて車の電動化は加速するので、ソニーの技術をどう使っていくのか、との思いで始めた」

 ソニーが重視していたのが「居住性とエンターテインメント性」だった。川西氏は「ソニーが得意とするゲームや映像コンテンツの技術を融合させ、車に乗っている時間の付加価値を高めていきたい」とも語った。

 アフィーラの販売価格は2000万円近くなるのでは、と見る向きもある。ソニーという世界的ブランドを活かし、高価格帯では一定の存在感を示すかもしれない。

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