吉田みく「誰にだって言い分があります」

【若者の恋愛離れ・家族の思い】20代の一人息子に「恋愛経験がないのでは」と不安な母、「おせっかいかもしれないけど婚活をサポートしたい」その胸中

恋愛経験がない息子を思う母親の心中とは…(イメージ)

恋愛経験がない息子を思う母親の心中とは…(イメージ)

「異次元の少子化対策」を掲げる岸田政権の具体的な政策メニューである「こども未来戦略」が12月22日に閣議決定された。予算規模は3兆6000億円と巨額になるため、その財源の確保に伴う国民の負担増をめぐり議論が百出している。さらに各方面から不足が指摘されているのが、諸外国に比べて婚外子が極端に少ない日本で、少子化を加速させる最も大きな原因といえる「未婚化・晩婚化」への対策だ。

 リクルートが運営する「ブライダル総研」が12月12日に公表した「恋愛・結婚調査2023」によると、20〜40代の未婚男女1200人のうち、恋人がいる人の割合は約3割だった。交際経験がない20代男性は46.0%で、2年前の前回調査から11.8ポイント増加(20代女性で交際経験がない人は29.8%)。さらに結婚願望は男女とも縮小傾向にある。同調査で「いずれは結婚したい」と答えた人の割合が2019年から年々減少する一方、「どちらとも言えない」「したくない」と答えた人の割合は増加しているという。

 なぜ、日本では20代の若者を中心に「結婚」や「恋愛」を避ける傾向が顕著なのか。“若者の恋愛離れ”の実像に迫るべく、フリーライターの吉田みく氏が、20代の独身男性を子に持つ50代女性に、家族としての思いを聞いた。

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「リクルートブライダル総研」の調査で、「結婚の意向がない」または「どちらとも言えない」理由として最も割合が高かったのは、男性は「金銭的に余裕がなくなるから(42.5%)」、女性は「行動や生き方が制限されるから(40.5%)」だった。ほかに、「メリットを感じない」、「自由や気楽さを失いたくない」などの理由も多かった。

 筆者自身、20代の男女の恋愛に対する価値観が、昔とは大きく変わってきていることはよく耳にする。上の世代の人によっては、そうした価値観の変化を受け入れられず、「なぜ我が子が……」と思い詰めてしまう親もいるようだ。

 都内在住の専業主婦・ヤヨイさん(仮名、57歳)は、現在26歳の一人息子について、「恋愛経験がないのでは」と心配になっているという。

「息子は生まれてから現在まで実家暮らしを続け、就職後も仕事が終わったらまっすぐ帰宅する生活を送っています。とても真面目で自慢の息子なのですが、20代男性の恋愛事情に関するニュースを見たら心配になってしまって……。我が子も恋愛経験がないかもしれないと思うと、将来のことが気になって仕方がないんです」(ヤヨイさん、以下同)

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