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檀家制度全廃、郵送で納骨、葬儀や戒名料金を定額化… 埼玉県の異色の住職が手掛けるお寺の大改革、目指すは「お寺のコンビニ化」

供養が終わったお骨は、一定期間供養墓に安置され、数年後に合祀墓へ移される

供養が終わったお骨は、一定期間供養墓に安置され、数年後に合祀墓へ移される

埼玉県熊谷市にある曹洞宗見性院(けんしょういん)

埼玉県熊谷市にある曹洞宗見性院(けんしょういん)

「お寺は来るものを拒んではいけない場所」

 橋本住職が目指すのは「お寺のコンビニ化」だ。

「誰もが入れて、出ていくのも自由。必要な時だけ使っていただければそれで十分です。そういう自由な運営姿勢が口コミで広がり、“車でちょっと寄ってみた”という方もいらっしゃる。そうした方に葬儀や法事を依頼されることも結構あります」(同前)

 檀家制度があったら、互助会に反対され、実現できなかったかもしれない試みだ。

「本来、お寺というのは来る者を拒んではいけない場所だと考えています。一部の信徒さんの意向に縛られるのはよろしくない」(同前)

 橋本住職は送骨の他にも、葬儀や戒名にかかる料金を定額化し、領収書を発行するなど、葬送にかかるお金の見える化もいち早く行なった。

「業界の一部からは白い目で見られていますよ。でも、改革のスピードを緩めるつもりはありません。誰もが自由に使えるお寺運営を今後も続けていこうと思っています」(同前)

 檀家を収入源とする業界の常識を覆すことで突破口を開いた橋本住職の試みは続く。

次のページ:【画像】見性院の納骨・埋葬承諾書
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