ドラスティックシナリオでは、一時的に流通システムが機能しなくなる可能性が高いでしょう。電気・ガス・水道が止まる可能性もあります。最低限生きていくために必要な、水や食料、電源などは確保しておいた方がいいかもしれません。どの程度の期間の確保が必要かは、各自ご判断ください。
無限膨張を宿命づけられてきた理由の根源となる「金利」はどうなるでしょうか。
宇宙の仕組み、自然の法則や構造にそぐわないものは不自然であり本質的ではありませんが、今回金利が完全になくなるかどうかまでは未知数だと見ています。
したがって、金融リセット後も価値を維持でき上昇可能性のある資産を保持していれば何の問題もないどころか、今回のようなドラスティックな変革期には、大きく資産形成ができるチャンスもあると見ていいでしょう。
社会の大変革期にはやはり、人心が「15:70:15」に分かれます。マスの70%は大激変に翻弄され、慌てふためくばかりで何もできず、対応も後手後手に。下位の15%はそもそも大激変が起きていることも気づかず、あるいは心理的に拒絶し何も行動できません。上位の15%が時代に先駆けて資産形成し、新しい生き方をいち早くスタートさせるなどでリセット後を謳歌する、といった状況になるかと思います。
※長嶋修・著『グレートリセット後の世界をどう生きるか』(小学館新書)より、一部抜粋して再構成
【プロフィール】
長嶋修(ながしま・おさむ)/1967年東京都生まれ。不動産コンサルタント。さくら事務所会長。NPO法人日本ホームインスペクターズ協会初代理事長。国交省・経産省の様々な委員を歴任。YouTubeチャンネル『長嶋修の日本と世界の未来を読む』では不動産だけではなく、国内外の政治、経済、金融、歴史などについても解説。広範な知識と深い洞察に基づいた的確な見立てが注目を集めている。マスコミ掲載やテレビ出演、講演等実績多数。著作に『不動産格差』(日経新聞出版)、『バブル再び~日経平均株価が4万円を超える日』(小学館新書)など。最新刊は『グレートリセット後の世界をどう生きるか~激変する金融、不動産市場』(小学館新書)。