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ライフ
頼りになる「名もなき友人」

「ペットの散歩で知り合った犬友」と情報交換、「近所のおばあちゃん」が子供のいじめを察知…貴重な助言をくれる“友達未満、知り合い以上”の存在の大切さ

ペットという共通の話題をきっかけにできる知り合いも(イメージ)

ペットという共通の話題をきっかけにできる知り合いも(イメージ)

 買い物先のレジでなじみになった店員さんと挨拶を交わすようになったり、犬の散歩中によく会う人といつしか情報を交換し合うようになったり……そんな“友達未満、知り合い以上”の相手が、助けてくれることもある──。相手の名前を聞いたり、事こまかに連絡先を交換し合ったりするほどではない。でも、顔を合わせたら、互いに微笑んで会釈して自然と近況を話したりする存在が、日々の生活で助けになってくれることもある。【頼りになる「名もなき友人」第4回】

 心理カウンセラーの古宮昇さんはこう語る。

「長いつきあいの友達ももちろん大切ですが、“程よい距離感の知り合い”もいいものです。利害関係がなく、相手に見返りを求めもしない。そうした関係ゆえ、変に構えることもなく対等でオープンにつきあえる。得てしてそうした相手が貴重で意外な情報をもたらしてくれたり、困ったときには予想以上に頼りになったりするものです」(古宮さん)

ペットの散歩がきっかけで顔なじみに

 そういった関係を築くのに有効な手段の1つがペットの散歩だ。散歩中に顔見知りになることも多く、ペットという共通の話題があるので相談もしやすくなる。女性・Hさん(49才/会社員)は、ペットがきっかけでおしゃべり仲間が出来たという。

「同じマンションに住む犬友がいます。お互い部屋番号も知らず、散歩のタイミングで会った際にマンションのエントランスで話す程度の関係です。うちの子は、コーギーのルルというので、私は『ルルちゃんママ』と呼ばれ、彼女の愛犬は、柴犬の太郎というので、『タロちゃんママ』と呼んでいます。お互いの情報はそれだけです。

 最近は病気対策について話すことが多いのですが、タロちゃんが尿路結石になったと聞いて、私が『尿路結石の予防につながる浄水器を使っている』と話したら、次に会ったときには『買ったよ! よさそうな気がする』と、報告してくれました。週2回程度、散歩のときに立ち話をするだけですが、付かず離れずの心地いい関係です」

 女性・Iさん(40代/看護師)は、普段の立ち話が思わぬ結果を導いた。

「愛犬の散歩コースの途中に、犬好きの奥さんが住んでいます。50代くらいで、毎日のように立ち話をする仲でした。家庭菜園の野菜を何度かいただいたので、先日実家から届いたみかんをおすそわけに行ったところ、インターホンを押しても応答がありません。

『車があるのにおかしいな?』と思い、失礼ながら庭先からリビングを覗いたら奥さんが倒れているのを見つけました。すぐに119番して救急搬送してもらいました。熱中症になっていたみたいで、手遅れにならずによかったです」

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