葬儀の生前準備はスマホもうまく活用したい
残された家族への負担を減らすためにも、生前整理はやっておきたいもの。しっかりやろうとすると多大な手間がかかるのがやっかいなだが、重要なのは最低限やるべき要点」を押さえることだ。
家族が亡くなると死亡届の提出をはじめ、遺族は様々な死後の手続きに追われる。その慌ただしさのなかで、故人の関係者や友人などへ訃報の連絡をして葬儀の案内などを送らなくてはならない。関西クリーンサービス代表で真言宗の僧侶でもある亀澤範行氏が語る。
「年賀状などから故人の交友関係を探って案内状を送付するのはひと苦労です」
その手間を軽減するためにやっておくべきことはシンプルだ。
「生前に葬儀の参列者リストを作っておくことです。今は年賀状じまいをする人が増える一方、70代の8割以上がスマホを持つ時代なので、スマホに葬儀に呼びたい人をまとめておくのが楽でしょう。いちいち住所を打ち込んでいくのではなく、呼ぶ人の年賀状など住所が記載されているハガキを写真に撮ってフォルダに保存しておくと早いです」(同前)
同様に「遺影」候補の写真もスマホに入れておけば良い。これまで25年間で2200件以上の遺品整理を手がけてきた空き家対策パートナー代表の内藤久氏が語る。
「遺影を準備しておらず、適当な写真が見つからなくて遺族が困るケースが多いんです。お気に入りの写真をスマホに保存しておき、『遺影はスマホ内の○月○日の写真を使うこと』とメモしておくことを勧めます。希望の葬儀形式なども同様にスマホのメモ機能などに残しておくのも良いでしょう」
メモとして文字を残すことが億劫な人は、「『エンディングムービー』を残す方法もある」と亀澤氏は言う。
「スマホの動画で自撮りして、参列者や遺影について、葬儀や墓の希望などを残します。あらかじめ撮影しておき『もしものことがあったら○月○日の動画を見ること』とメモで残しておけば良い。動画撮影なら気軽に何回も撮り直しができます」