数回使っただけの調味料が放置された状態
タイパの悪さゆえの料理へのモチベーションが上がらないと、今度は食材を無駄にするという悪循環に陥っていく。
「そもそもほとんど自炊をしてこなかったので、調味料から揃えないといけない。買い物をしているときは自炊をする気満々なので『これからも(調味料を)使うだろう』と思って、大きなサイズのごま油とかみりんとかを買って帰るんですが、結局数回使っただけで、封が開いた調味料がキッチンに放置された状態です。調味料があれば自炊するかというと、全然そんなことはない。正直、いつになったら使い切れるのか見当もつきません」(Aさん)
自炊を諦めたAさんは、1人で外食をするか、出来合いの弁当を買って帰宅することが多い。
「自炊して節約できるのは、毎日継続的に料理をしている人だけ。しかも1人暮らしだと食材を余らせることも多く、結局無駄なお金を使いがちです。『毎日夕食は1000円以内』といったルールを設けて外食したりお弁当を買ったりしたほうが、個人的には節約になっていると思います。何より推しの動画を見る時間が増えて精神的にもいいことずくめです」(Aさん)
5人前の惣菜を買ってきた夫
自炊に慣れていない人は、買い物に失敗しがちな傾向がある。神奈川県に住む専業主婦のBさん(40代)は夫と1人の子どもと3人暮らし。“買い物下手”な夫に呆れることがあるという。
「夫は家でまったく料理もしないし、買い物にもほとんどいかない。普段私がどんな食材を買っているかも知らないレベルです。だから、たまに買い物を頼むと大抵間違ったものを買ってきてしまうんです。『カット済みの千切りキャベツを買ってきて』と頼んだら、2分の1にカットされたキャベツを買ってきたり、『卵を買ってきて』と頼んだらコンビニで温泉卵を買ってきたこともありました。何を買ってこられても私は使うので無駄にはならないんですが、想定外のことが多すぎる」
夫の買い物でBさんがもっとも驚いたのは、「スーパーでお惣菜を買ってきて」と頼んだときだ。
「私が体調を崩していて、料理をするのがしんどかったので、『会社帰りにスーパーで自分が食べたいお惣菜を何個かかってきて』と頼んだら、全部で10種類ものお惣菜を買ってきたんですが、それが5人前くらいの量。パーティーでも始めるのかという(笑)」(Bさん)