先代に顧問料などを支払う
公益財団法人移行から10年経過するが、大物力士が引退するたびに今回のような玉突きの年寄名跡の変更が行なわれる。借株で協会に残っていた親方が別の借株に移行するためだ。
「公益法人への移行時に、65歳での定年退職後も希望すれば最長70歳まで年寄名跡を名乗ったまま再雇用されるようになった。これにより年寄名跡が慢性的に不足し、祝儀を集めるために借株で引退相撲を行なって一時的に相撲協会に残るケースも増えた。
協会の一括管理としながら、結局は名跡を襲名した親方が継承者を推薦できる権利を持ち、その継承者が先代に顧問料などを支払うことが認められた。事実上の売買や貸借が温存されているわけです」(前出・相撲担当記者)
高額売買が何度も問題になってきた年寄名跡だが、角界においては強大な既得権となっているだけに、改革には難しさもあるようだ。
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