ライムとミントの香りで爽やかに昼飲み開幕!
お酒はいつ飲んでもいいものだが、昼から飲むお酒にはまた格別の味わいがある――。ライター・作家の大竹聡氏が、昼飲みの魅力と醍醐味を綴る連載コラム「昼酒御免!」。連載第12回は、東京・赤羽の人気店に開店前から並んで名物を堪能する。【連載第12回】
* * *
昼日中から酒を飲むことは、昨今なにも珍しいことではなくなった。昼酒を飲むときの軽い罪悪感が酒をよりおいしくさせると思う人もまだいるかもしれないが、世のなかを見渡せば、ランチビールはもちろん、ランチ酎ハイ、ランチ日本酒なんでもござれ。この「昼酒御免!」の連載も、昼酒スポット探しに困ることはない。
さて、前回まで2回にわたって蔵前、浅草と、下町昼酒スポットを巡ってきた当連載、今回足を向けるは北区赤羽だ。集合は午前11時。目的の店「まるます家」の前には、開店前から列ができていたそうで、その中に、飲み友ケンちゃんの姿があった。
開店と同時に、「鯉とうなぎの店 まるます家」と書かれた看板のある軒下の提灯に、赤い火が点った。その瞬間に、あっ、点いた、開店だ! と幼児のように心を躍らせている自分がおかしかった。
店に入ると、左手のテーブルに案内された。ここでケンちゃんと差し向かいで飲むのである。
開店を知らせる提灯が点くと20人以上が入店。平日なのに恐るべし