「内需系だからなんとなく買う」のは避けたい
そうした前提に立つと、どういった投資戦略が考えられるのか。
「基本は、優良銘柄の押し目買い。この先もトランプ発言で市場が動揺し、株価が下がったところは押し目買いのチャンス。業績もよく割安な高配当銘柄に注目してほしい。
注目セクターとしては、関税の影響を受けにくいことから『内需』系がよく言及されますが、内需だからとなんとなく買うのは避けてほしい。インフレが続くなか、それをしっかり価格転嫁できて売れ行きも落ちないような『値上げできる会社』に注目です。たとえば、コメ価格高騰のなかで、その代替としてパンの需要が高まっているので、山崎製パン(東証プライム・2212)や第一屋製パン(東証スタンダード・2215)など。特に「第一パン」として知られる後者はPBR(株価純資産倍率)が0.5倍以下で割安なのが魅力的ですね。
それからシステムインテグレータ、SEがシステムを手がける会社というのは国内でDX化が進むなかで内需系として期待できます。たとえばITサービス大手のJBCCホールディングス(東証プライム・9889)など、システム系の会社は関税の影響も受けないので投資妙味があると思います」
さらに「内需」だけでなく、「外需」にも狙い目はあると続ける。
「『外需』でいうと、トランプ関税のやり玉に挙がっている自動車関連の反発に期待したい。トヨタ自動車やホンダが減益予想を発表していますが、関税の影響を織り込みつつも値上げしない想定の収益予想が多い印象です。関税の影響を織り込んで値上げできるようになれば収益は一気に立ち直る可能性が高いので、今後の動向に注目です。まして米国では法人税減税の効果も期待されるので、自動車各社の米国ビジネスも少なからず恩恵を受けるはず。そう考えていけば、関税のターゲットにされている自動車関連にも大きな反発期待を持てるわけです」
ここまで坂本氏が挙げた銘柄は、第一屋製パンを除くと、いずれも最低投資金額が10万円を超えるが、10万円以下の少額投資でも上昇期待の銘柄はあるという。関連記事『【億り人・Bコミさんが注目の「10万円株」5銘柄】割安でも安心して保有できる「高配当低PER銘柄」から、反発期待の自動車関連、インバウンド関連…株価上昇時のインパクトも大きい』で詳しく紹介している。
【プロフィール】
坂本慎太郎/大学卒業後、メーカー勤務を経て、日系の証券会社でディーラーとして6年間活躍後、かんぽ生命保険に転職し、株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。個人投資家として1.5億円超の資産を築く一方、2015年に中級者向けのトレード指導を行なう「こころトレード研究所」を設立、所長に。ディーラーとして短期、機関投資家として中長期と幅広い経験や実績に裏付けされた投資アイデアを多数持つ。「Bコミ」のハンドルネームで知られ、テレビ、ラジオ、雑誌など各メディアでも活躍中。著書に『朝9時10分までにしっかり儲ける板読み投資術』『ずるい不動産投資―手間暇かけずに毎月50万円の家賃が入ってくる築古区分マンション投資入門』など。