トランプ関税ショックの“最悪期”は脱した?(Getty Images)
「トランプ関税ショック」で世界のマーケットに激震が走ってから2か月ほど過ぎたが、株式市場は依然不透明な状況に包まれている。過激な発言を繰り出しては撤回し、二転三転どころか朝令暮改も著しいトランプ大統領の発言に世界中の市場関係者が振り回されている格好だ。しかし、「資産1.5億円超のBコミさん」こと坂本慎太郎氏(こころトレード研究所所長)は「トランプ大統領が次に何を仕掛けてくるかわからない“最悪期”は脱した」とみる。その理由を聞いた。
トランプ氏の政策は、中国、カナダ、メキシコへの関税に始まり、鉄鋼・アルミや自動車への「品目関税」、さらには世界各国への「相互関税」と世界経済に大打撃を及ぼすネガティブな材料ばかりが目立つが、坂本さんは「それだけに目を奪われると、本質を見誤る」という。
「これまではトランプ政権のネガティブな材料ばかりが織り込まれてきましたが、一方でトランプ氏が打ち出そうとしている『法人税減税』などは企業業績にとってポジティブな材料であることは間違いない。そもそも米国では巨大テック企業をはじめ業績はよく、それらの企業は関税の影響を受けにくいうえ、法人税減税によってさらに業績が上ブレする可能性が十分にある。
それは米国企業のみならず、日本企業も同様。今期(2026年3月期)の業績予想では関税の影響を織り込んで若干の減益あるいはほぼフラットといった保守的な予想が目立ちますが、見方を変えれば、ポジティブな材料が出てきて不確実性が薄れていけば、増益基調が続いていく見込みがあると言えるわけです。
そう考えると、これ以上ネガティブな材料が出るとは考えにくく、“最悪期”は脱したとみていいと思います。想定外の事態が起こらない限り、日経平均株価は3万1000円割れという4月7日につけた安値を下回ることは当面ないと予想します。ポジティブな材料が確認されていくにしたがって、日経平均も年内に4万円台を回復、年度内(3月末まで)でいえば史上最高値の4万2400円台を超えてくる可能性は高いとみています」(以下、「」内のコメントは坂本氏)