古古古米の食味をめぐる議論のおかしさ
政府は令和4年度産の「古古古米」を市場に放出したが、その際世間では「美味しく食べられるのか」と、食べ方や味についての心配が散見された。Mさんはこう語る。
「農家だとまず食べることが無い米ですね。高度成長期頃、米は売った方がお金になるので、家では古い米を食べていたような記憶がありますから、時代が逆行しているような気がします。それに、古米の味について意見を言っている方がいますが、仮に古古古米を美味しいというのであれば、いっそ日頃から国産にこだわらず、安い輸入米を買った方がいいんじゃないの」(前同)
さらにMさんは「備蓄米」についても疑問を述べる。
「備蓄米は不作や災害といった緊急事態が発生した際に、食べられるように作られた制度で、政府が税金で米を買って、それを国民が買うという行為がそもそもおかしいですね。消費税もかかっていますし、二重で税金を取られているような矛盾を感じます」
飲食店や家庭にとって、確かに米の価格は重要だ。しかし米を生産する農家の声がなかなか届かないことに、Mさんはため息をつく。