猛暑日でもコースに繰り出す高齢者がいるという(写真:イメージマート)
猛暑がつづく今夏。熱中症対策は必須なはずだが、あまり深刻に考えていない高齢者も少なくないという。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏が、熱中症対策としての水分補給の重要性についてつづる。
炎天下で選挙演説を聞いて帰ったその夜、心臓がドクドク…
アラカン、アラコキに告ぐ。命あってのモノダネだよ。還暦や古希の年代で、この夏の猛暑の中、日常生活を送ろうという方が間違っている……と言っているそばから、私自身、つい先日、熱中症になりかけた。
ほめられた話じゃないけれど、早い話、私はお祭り好きなんだね。それも「マツリゴト」、つまり選挙の街頭演説の熱気が大好物だから、都議会議員選挙に参議院選挙がくっついたこの夏は地に足がつかなくて、まじでヤバい。
先日も暑い最中、お目当ての人の演説に間に合うように早足で目的地まで急いだの。そして大満足して帰ったその夜、心臓のドクドクが止まらなくなった。思い起こせば、その日はほとんど水分を摂らずに出かけて、炎天下、1時間くらい立ちっぱなしで演説を聴いていたんだよね。その後、慌ててペットボトルの水を買って飲んだけど、足りなかったんだと思う。
実は私、若い頃の不摂生がたたって、心房細動と軽い心臓弁膜症の持病があるの。それで何度か発作を起こしている。軽度ならドキドキだけで終わるけれど、もう一歩進むと首が締め付けられるような感覚になって呼吸がしにくくなる。この状態のときに常備薬を口に放り込んで静かにしていると治まるけど、さらにひどくなると意識不明になるそうな。ひとり暮らしの私は、そうなる前に自分で判断して救急車を呼ばなければならない。「さぁ、どうなる」とベッドに横になりながら天井を見ているのは決していい気持ちじゃないよ。
たかが水を飲まなかったくらいで救急車?と、10年前の私だったらそう思っただろう。なんなら、水は飲まなかったけど生ビールはたっぷり飲んだから大丈夫、とか。いまにして思えば、アルコールは利尿作用で体内の水分を減らす元凶。バカも休み休み言えって話だけど、水分軽視は私だけのことじゃないんだね。