猛暑でもゴルフコースに出てしまう高齢者たち
「毎日、気が気じゃないですよ」と言うのは、ゴルフ場に隣接したあるリゾートホテルの関係者だ。原稿の執筆に集中したいとき、私はそこに連泊することにしている。
ゴルフ場だから、散歩道に事欠かない。
が、私はつい最近、朝カーテンを開けた瞬間、見るからに酷暑の風景に怖じ気づいて「中止」を決めた。だけど、見ると何組ものゴルファーがスタート地点でゴルフクラブを振り回しているのよ。みんな朝食のときに見かけた男女で、見るからに70代か、中には80代の人も交じっている。
「ほかのスポーツだと35℃を超えると施設自体が使用禁止になったりするみたいだけど、ゴルフ場はそうはいかないんですよ。せっかく4人1組で集まったんだからと猛暑日でもコースに繰り出して、少しくらい体調が悪くてもスタートしちゃう。それならせめて、『始める前に水分を充分に摂ってください』と言っても、『飲んだ、飲んだ』と言われたらそれ以上は言えないじゃないですか」と、ホテル関係者の愚痴が止まらない。そうなのよね。
自分もそうだけど、アラカンのうちはそうでもないのに、アラコキになるにつれて人の忠告が耳に入らなくなる。「これまで大丈夫だったんだから」と経験値を盾にとって、「自分の体は自分がいちばんよくわかる」と心底思っている、てか、思いたい。だからまぁ、私も後から笑っちゃうくらい頑な。
さらによ。先日の心臓ドクドク事件でわかったんだけど、その日、喉が渇いたという感覚になったのは、炎天下に立ち続けた後で、その前は水を飲みたいという感覚にもならなかった。「喉が渇いてなくても水を飲むべし」なんて言われても、自分の体の感覚に従っていたらできることじゃないって。
それだけじゃない。「睡眠不足」な感覚も、若いときほど足りない感がなくなってきた気がするの。50代と同じとは言わないけれど、3時間睡眠でも動けないこともないって、どんだけ身を危険に晒しているんだ?
とにかく今年の7、8月は「災害級の暑さ」で、観測史上1位の記録的な猛暑だった2023年、2024年の夏といい勝負だそうよ。だから、夏の仕事は、「よく寝ること」と「水分補給」。エアコンをつけてちゃんとご飯を食べることを心がけて、この夏を乗り切りましょうぜ。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2025年7月24日号