低迷していたREIT指数が上昇している(イメージ)
東証REIT指数が、7月7日に1年2ヶ月ぶりに1800台を回復した。その背景や、今後の見通しはどのようなものか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第151回は、不動産投資信託「REIT(リート)」について。
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今年に入って、J-REITが活気づいているのは、以前、この連載でお伝えしました。その流れは下期に入った現在も堅調で、7月7日には、東証REIT指数が1年2ヶ月ぶりに1800台を回復しました。配当分を含めると、年初から約10%も上がっており、TOPIXの上昇率2.4%を大きく上回っています。
なぜREITが上昇しているのか?
まず最初に、REITの収益性を左右する金利が安定していることです。日本銀行が急な利上げをしない方針を示していることで、J-REITにとって有利な低金利の環境がしばらく続きそうです。さらに、政府もREITを応援していて、「骨太の方針」では今後の需要拡大の期待が大きいデータセンターをREITに取り入れるよう後押ししています。
そのような環境下で、REITの買い手が増えてきました。2024年まではREITを売る動きが続いていましたが、2025年に入ってからは、海外の投資家が買いに転じ、国内の投資信託も久しぶりに買い始めました。これによって「売りが多すぎる」という不安が減っています。
また、REITの運用会社も積極的です。不動産を売って得た利益を投資家に還元する動きが広がっており、こうした前向きな姿勢が市場から評価されています。