深夜に数人の若者が出入りする集会所的な物件
Aさんが住むマンションには、隣接して別のアパートが建っている。単身者向けの物件だが、Aさんはそのなかの一室に注目している。
「お隣のアパートは6室で、学生や若い社会人が住んでいます。ごく普通のアパートなんですが、夜9時頃になると、その前で若者が何人かタバコを吸いながらたむろして大きな声で話していることがよくあるんです。
ある時、私が飲み会から帰ってくると、そのアパートの前に黒いワンボックスカーが停まっていて、そこから降りてきた数人の若者がアパートの一室に入っていったのを目撃しました。深夜0時頃だったと思いますが、おそらくその一室が、何かの集会所のように使われているのかと。あまりいいとはいえない住環境も、家賃が安くなる理由なのかなあと勝手に思っています」
敷地内の植木がボーボー
一般的なマンションでは管理組合や管理会社が設備のメンテナンスなどを行うが、Aさんが住むマンションでは、管理があまり行き届いていない部分もあるようだ。
「管理会社はあるんですが、あまり積極的に動いていない印象。たとえばマンションの敷地内の植木が手入れされず、夏になるとボーボーに生い茂ってしまう。私を含めた住民もそういった状態が当たり前になっているのはよくないと思うんですが、管理が機能していない感があります。管理といえば、マンションのすぐ前の道路がゴミ捨て場になっているんですけど、そこが散らかっていてもそのままになっていることが多い。あまりにゴミが散らかっているときなんかは、私が掃除することもあります。ちなみに毎月支払っている管理費は1万円です。もうちょっとしっかり管理してほしいとは思いますけど、家賃の安さを考えたら、『こんなもんか』って諦めちゃうんですよね」
生活するうえでいろいろな不満はあるが、Aさんは「ちょっとした我慢で家賃が5万円安く済むならいい」と割り切っている。もちろん、Aさんが指摘したような事情から家賃が安くなっていると不動産会社が伝えてくれるわけではないのだが、「やはり安いのには理由があると思う。引っ越しする前にとことん理由を業者に確認したほうがいい」とアドバイスしてくれた。