支出を削減するか(イメージ)
配偶者や家族に先立たれたら、ひとりで生活できるのか……不安ばかりが募るが、老後ひとり暮らしの明暗を分けるのは、お金をめぐる日々の小さな工夫だ。支出を抑える場合、まずは固定費の削減から始めるのがいいという。家計管理に詳しいファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が、簡単な支出削減方法を提案する。
「契約電力のアンペアを下げると固定費削減につながります。家族で60アンペアなど大きな電力を契約していたら30アンペア程度に下げるといいでしょう。電力会社に電話するだけで変更できます。電力会社のホームページで自分が必要な電力を測定できるので、それを参考にすると簡単です。
水道代についても65歳以上の対象者に銭湯の補助券を発行する自治体も多く、自宅の風呂の代わりに銭湯で広々とした風呂に浸かるほうが安上がりになるケースがあります。また銭湯は地域のコミュニティになっていることも多く、近隣住民と接点を持つ意味でもメリットがあります」
保険など配偶者名義の契約を解約することも忘れてはならない。
「配偶者名義の民間保険契約やスマホなどの通信費は『亡くなった』という情報を会社に伝えないと引き落としが続くのですぐに連絡しましょう」(同前)
固定費で高額になりがちなのが車だ。車の維持費削減の考え方を風呂内氏が解説する。
「年間維持費が70万円なら12で割ると月約5万8000円。タクシー移動に変更した利用料がそれ以下なら車を手放すことを考えてもいい。ただし、生活必需品や運転が趣味といった場合は維持費の安い軽自動車に乗り換える手もあります」