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「遠すぎてお参りできない!」墓じまいをして樹木葬や納骨堂に改葬する落とし穴…トラブル回避のポイントは「“供養した実感”を得られるか」

墓の形態も多様化している(イメージ)

墓の形態も多様化している(イメージ)

 定年後の選択を間違えると、その後何十年にもわたって苦しい生活が続く一方、正しい決断をすれば充実の後半生が待っている。終活で「遅咲き老後」と「落ちぶれ老後」を分ける境界線はどこにあるのか。

墓じまいするかしないか「樹木葬で大失敗!大切なのは“供養の実感”」

 祖父の墓参りに行ったが墓が消えていた──墓じまいがブームのなか、こうした相談が増えているという。佐藤葬祭代表の佐藤信顕氏が語る。

「代々の墓の継承者不在で墓じまいする家が増えています。ただし親族に相談せず勝手に墓じまいする人も多く、関係がこじれる事例が増加しています」

 一方、田舎の墓をしまって永代供養の樹木葬や納骨堂に改葬するケースが急増しているが、事前によく吟味しないとさらに親戚間で関係をこじらせることになりかねない。

「“豊かな自然のなかで眠る”などの謳い文句に魅了されて、人里離れた里山にある樹木葬を選んだものの遠すぎて親戚がお参りできず、結局近くに墓を建て直すといったケースがあります。納骨堂は供給過多で経営母体が破綻して納骨堂が閉鎖されるケースが問題視されています。実際に北海道の納骨堂が破綻してお骨を取り出せない事例がありました」(佐藤氏)

 どうすれば墓選びの失敗を避けられるのか。

「納骨堂は1万柱ほどを納める機械式の大型施設よりも、数千程度の小中規模のほうが堅実な経営をしているところが多いようです」(同前)

 墓の形が多様化している現在、最も大切なのは“供養したという実感を得られるかどうか”だと佐藤氏は指摘する。

「故人の希望で海洋散骨を行なったものの、『どこに手を合わせればいいか分からない』と遺族が思い悩むことがあります。お経や位牌、仏壇に魂を入れるといった宗教的しきたりが今も残るのはただの風習ではなく、遺された者にとって必要だからです。葬式や墓の形式が変わっても、『しっかり送った』という手応えを感じられれば遺族は気持ちを整理でき満足できる。葬儀や墓を立派にしなくてはいけないわけではないが、不満が残らないようにするという考えも必要です」

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 マネーポストWEBの関連記事《【終活で揉めない作法】「墓じまいでトラブル」「家族葬に親族がクレーム」「相続のトラブルは生命保険の活用で回避」…専門家が教える“最適解”》では、一般葬か簡易葬か、遺産は誰に何を残すかなど、終活において注意すべきポイントについて詳細に解説している。

※週刊ポスト2025年8月15・22日号

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