“大化けゲーム株”で億り人になったゆずさんのX
億り人と呼ばれる投資家は、どのような投資遍歴をたどってきたのか。それを知ることは多くの個人投資家にとっても参考になるだろう。
現在30代後半のゆずさんが投資に興味を持ったのはサラリーマン時代の2012年12月、第2次安倍政権が誕生し、アベノミクスが話題になり始めた頃だった。元手は貯金の300万円。その頃大好きだったディズニーランドを運営するオリエンタルランド株を眺めていたが、高くて買うのを躊躇していると、1か月後には大きく値上がりしていた。「リスクを取らないことにもリスクがある」ことに気づいたゆずさんは、年が明けた2013年1月から株式の売買をスタートさせる。その後はわずか2年で億り人になったというが、その歩みは平坦なものではなかった。
1日で1000円くらいの儲けに味を占める
「自慢ではなく、ゲーム株に関しては日本一詳しい自信があります。元々ゲームが大好きだったので、最初に買った銘柄もドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのIP(知的財産)を持つスクウェア・エニックス・ホールディングス(東証プライム・9684)でした。
当時の株価で100株買うと、その日のうちに1%ぐらい上がり、すぐに売って1000円くらい儲かりました。『ランチ代が出るんだ』と味を占めてスクウェア・エニックスの短期売買を繰り返し、利益が1万円ぐらいになると欲が出てきた。もっと値動きの大きい銘柄はないかと値上がり率ランキングを毎日見るようになり、連日20%以上値上がりしている銘柄があることを知りました。知識も経験もないのに、そんなゲーム株の1つに手元にあった資金300万円をすべて突っ込んだのです(苦笑)」(以下「」内はゆずさんのコメント)
ところがゆずさんは、仕事どころではない事態に襲われる。
「僕の買ったタイミングがいわゆる天井で、直後から1分ごとに1%ぐらいの勢いで真っ逆さまに下がり続けました。わずか30分で20%ぐらい下がった時にはさすがに怖くなり、泣く泣く損切りしました」