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大竹聡の「昼酒御免!」

【大竹聡の昼酒御免!】疲れを癒してくれる「モヒート」の清涼感 チャンピオンがいる「神楽坂のバー」で作り手の個性を楽しむ大人の時間

シュワシュワ系が飲みたい

ジンフィズには作り手の個性がよく出る

ジンフィズには作り手の個性がよく出る

 まずはすっきり系だな。ジンリッキーと言いかけて、ジンフィズと言い直す。リッキーに比べて少し甘みも入るシュワシュワ系、オトナのレモンスカッシュであるところのジンフィズを、いますぐ飲みたかったのだ。

 一方のケンちゃんは、問答無用という感じで、

「モヒート!」

 とひと言。バーテンダーの竹内洋行さんがつくり始めたモヒートのグラスから、さっそく爽快なミントの香りが漂ってくる。これだけで涼しいじゃないか。

 ふたりの前にふたつのグラスが置かれた。新丸子~神楽坂という、そう近くもない移動をしてきた我々は、ちょっとしたお疲れ様気分でカンパイをした。昼から疲れてどうすると思わないでもないが、この時期、なにしろ暑い日が続いていたのだ。

 ジンフィズがうまい。

 何の変哲もないカクテルに見えるけれど、この1杯は、深い。材料の分量、調合、シェーク、最後にソーダを注ぐというプロセスを踏んで完成する。1杯の中に、混ぜてシェークしてソーダでアップするという基本動作が入っているから、作り手の技量が反映されて、それぞれの個性もよく出ると教わったことがある。

 つくってくれた竹内さん、日ごろ私は彼をタケちゃんと呼んでいるが、私もタケちゃんとか、ちゃんタケとか呼ばれているので、なんだか、こそばゆい感じもある。それはそれとして、タケちゃんもこの店に勤めて11年になるという。うまいカクテルをつくれて当たり前というべきか。

 というのも、こちらの店主である新橋清さんは、銀座の資生堂パーラー「ロオジエ」に入店し、日本のバーテンダー界を牽引する上田和男氏のもとで修業を重ねた人物。上田氏が独立して「銀座テンダー」を開いた後は右腕として13年にわたって支え、2010年、40歳で現在の「サンルーカル・バー」を開業した。知識、経験、腕前、ルックス、接客、話術、責任感、情熱……、バーテンダーに求められるすべてを備えた……、と語れば、「やめてくださいよ!」とにこやかに叫ぶだろう。

 竹内さんはここで11年、修業してきた。学生時代は機械工学を専攻したが、卒業後はその道へ進まず、バーテンダーの道を選び、2022年にはPBO(プロフェッショナルバーテンダーズ機構)のコンペティションで優勝するまでになった。

 訪ねたこの日は、新橋さんのお休みの日。タケちゃんのワンオペ・デーなのであった。平日の午後3時を過ぎたあたり。ふらりと飲みに来るお客さんに、丁寧に対応をしている。

 目の前の小皿には、チャームと呼ばれるおつまみが出ている。ドライオレンジ、揚げエンドウ、品川巻きの3点セット。これを私は三角食べしながら飲むのが好きだ。

甘さや塩っ気、歯ごたえなどチャームにも“個性”がある

甘さや塩っ気、歯ごたえなどチャームにも“個性”がある

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