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ふるさと納税の返礼品に「タバコ」登場の驚き 静岡県磐田市長が語る採用の思い「地域に根ざした工場は自分たちの誇り、そのストーリーを大事にしたい」

人気のふるさと納税のトレンドに変化も(イメージ)

人気のふるさと納税のトレンドに変化も(イメージ)

 今や都道府県や市区町村への手軽な寄附制度として幅広く知られている「ふるさと納税」。2008年から始まり、2024年度は納税受入額として過去最高の1兆2728億円を記録する人気となっているが、“利用者の奪い合い”が問題視されるとともに、運用およびトレンドにも変化が起きている。

 過熱する利用者の誘引に対してはたびたび総務省から制度改定がなされ、10月からはポイント等が付与されるサイトでの寄附募集が禁じられた。また高額品やその地域にしかない希少品などといった“返礼品合戦”も話題になってきたが、最近ではトイレットペーパーやタオルなど、日用品の人気も高まっている。そうしたなか、ふるさと納税ファンを驚かせた返礼品が「タバコ」だった。タバコを返礼品に加えた静岡県・磐田市の草地博昭市長に、その経緯について話を聞いた。

磐田市役所

磐田市役所

国内最大のタバコ工場も

 もともと磐田市はタバコの葉の一大産地。かつてタバコ農家が多くあった磐田の地に、1979年には葉タバコから商品にする工場が建てられた。現在の「JT東海工場」(以下「東海工場」)で、敷地面積は同社保有の国内工場のなかで最大の22万3176平方メートル、東京ドームおよそ5個分の広さを誇る。

JT東海工場

JT東海工場

 タバコ産地としての歴史は銘柄からも感じられる。同工場では刻みタバコの「こいき」、紙巻きたばこでは「Peace」「HOPE」「メビウス」等、そして加熱式たばこである「with2」のカプセルと、老舗商品から新しい商品まで幅広く手がけ、なかでも同工場だけで製造しているのは「Peace」と「HOPE」という歴史の長いブランドだ。とりわけ「Peace」は缶入りの「缶Peace」も製造。同商品のための特殊な製造ラインを保有しているのは、今では同工場のみとのことだ。

「全国市町村がふるさと納税の獲得に知恵を絞っているなか、なんでタバコが返礼品の候補に挙がってこないんだろうと思っていた」と語るほど、磐田市で生まれ育った草地市長にとってタバコは身近な存在だったという。

「磐田では、江戸時代からタバコを作っていて、僕の周りにも東海工場で働いている人は結構いました。今、返礼品は、メロンやうなぎなど農産・漁産系が強いですが、磐田市は製造業も盛んな場所。ヤマハ発動機などの大きな会社が有名ですが、ただ、そこで製造されているものはバイクなど高額で返礼品になりづらいんです。地元に根付く産業から、手軽な返礼品は何かと考えていたところ、タバコにたどり着きました」(草地市長・以下同)

 タバコにはさまざまな税金がかかっている。そうしたことから、総務省や財務省の確認に時間はかかったものの、無事に審査をクリア。返礼品のラインナップに加わったのが2024年11月のことだ。

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