抜きつ抜かれつの持ち給金レース
土俵ではマッチレースとなったが、褒賞金の基準となる持ち給金レースでも、2人はデッドヒートを繰り広げてきた。現在は大の里が大きくリードしている。
昨年の初場所で新入幕となった大の里の持ち給金は、1年前の初場所の時点で幕内の最低基準額の60円に引き上げられた。その時点で大関の豊昇龍は2倍の119円だった。
大の里は入幕後に11勝、11勝と挙げ、3場所目に12勝で初優勝。101.5円となり、豊昇龍の127.5円に26円差にまで迫った。昨年7月の名古屋場所で9勝に終わったが、9月の秋場所に2度目の優勝を飾って大関に昇進。九州場所で大の里の持ち給金は138.5円となり、この時点で129.5円の豊昇龍を抜いた。
今年の初場所で豊昇龍が12勝3敗で優勝し、横綱に昇進。169.5円となり、142.5円の大の里を抜き返したものの、豊昇龍は新横綱場所の春場所を途中休場した。大の里は同場所において12勝3敗で3回目の優勝を果たし、次の夏場所も制して横綱に昇進。名古屋場所では持ち給金213.5円となり、174円の豊昇龍を再び抜き返し、39.5円の大差をつけた。
そして、秋場所で13勝2敗同士の優勝決定戦を制した大の里がさらに35.5円を加算して252.5円、優勝を逃した豊昇龍は勝ち越し分の5.5円が加わるのみで179.5円となり、九州場所は73円の大差がついて迎えることになる。支給額ベースでは場所ごとに29.2万円の差がつき、年額換算で175.2万円の違いとなる。
仮に秋場所の優勝決定戦を豊昇龍が制して逆転優勝をしていたとすれば、大の里は217円に5.5円を加えた222.5円で、豊昇龍に35.5円が加わっておれば209.5円となってその差は13円になるところだった。そういう意味でも大きな黒星だった。