似た話は他にもある。埼玉県の実家から都内の私立大学に通う2年生・Bさん(20代女性)は、大学受験の際に第一志望の国立大学に不合格で、滑り止めで合格した私立大学に通っている。現在の大学生活は楽しいものの、高校時代に同級生だった男性の友人からは、卒業時に「女の子だから、そこぐらいがいいよ」と言われたという。
「慰めてくれてるのかもしれないけど、“女の子だから”という前置きはいらない。笑ってやり過ごしましたが、そういうことを言う男子は、結局、自分が国立大学の女子に叶わないことを告白しているようなもの。ダサいなと思ったのを覚えています」(Bさん)
就職活動でも親から「女は安定した職業がいい」
現在就職活動中で、都内の私立大学3年生・Cさん(20代女性)の実家は九州地方にある。就活中、自分とは異なる親の価値観に触れることがあったという。
「父親と電話で話していた時、『就職で実家に戻ってくるのかな?』と聞かれました。別に戻って来いとか、戻るべきといった強制的な言い方ではなかったのですが、逆に“当然帰ってくるよね?”というようなニュアンスも感じて、一瞬動揺しました。実家に戻る気は、全然なかったので……」
適当にはぐらかして、その場をやり過ごしたCさん。実家に帰らない理由を説明する。
「親は両親とも公務員で、父親も母親も、ことあるごとに“公務員はどうか”と言うんです。もちろん、公務員は大切な職業だと思うんですが、両親になぜ公務員がいいか聞くと、“女は安定した職業についた方がいい”という理由。私が公務員になりたかったら別ですけど、“女”が先に来るのは納得いきません。私は全国転勤ありの企業に入って、知らない土地に住んでみたいし、まだ見たことのないものをたくさん見たいのに」(Cさん)