売り場は大変な賑わいを見せている
安青錦には1円も入らない
中日以降に追加注文が間に合ったようだが、ファンの間で大人気の安青錦。ただし、どんなにグッズが売れても本人には1円も入ってこない。相撲担当記者が言う。
「プロ野球では選手個人名のグッズが売れると、ロイヤリティ料としてオフにまとまったお金が支払われる。阪神などの人気選手なら1000万円近くになるというが、相撲協会では四股名は協会に登録する芸名ということで協会に帰属するという考え。そのため四股名のグッズが売れても協会の収入となる」
つまり、力士は土俵で稼ぐしかないわけだ。10勝2敗の安青錦が12日目までに手にした懸賞金(1本7万円のうち力士手取りは6万円)は61本(手取り366万円)で、大の里の284本(1704万円)や豊昇龍の232本(1392万円)に遠く及ばない。大の里を破った義ノ富士の112本(672万円)や6勝5敗の大関・琴櫻の83 本(498万円)にも負けている。協会関係者が言う。
「懸賞金は人気のバロメーターとも言えるが、平幕や三役でどんなに好取組が組まれていても実際には横綱や大関の取組に集中する。もちろん横綱や大関を倒せば懸賞金を手にすることができるが、安定した懸賞金を稼ぐには大関以上に出世するしかないんです」
実際、土俵に上がると大声援が送られる宇良は31本(186万円)、藤ノ川は13 本(78万円)しかない。
「土俵にはカネが埋まっている」といわれるが、そのためにはどんな人気力士でも番付を上げるしかないのだ。安青錦にはその権利に手が掛かっている。
