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キャリア
脳のパフォーマンスを低下させる「多忙感」

「今集中していたのに」「あの人はいつもタイミングが悪い」…ちょっとしたことでイライラするのは「多忙感」の“ステージ2” 無気力で動けなくなる“最終段階”まで悪化させないよう注意

ステージ3:ぐったり

 さらに外乱が続くと、脳の「掃除屋」と呼ばれる「ミクログリア」が暴走します。ミクログリアは自然免疫細胞の一種で、普段は死んだ細胞の除去や神経回路のメンテナンスをしてくれるありがたい存在。アメーバのように伸び縮みしながら、脳内を監視しています。

 ところが、先ほどのグルココルチコイドが増えると、それを合図に、彼らは監視態勢から攻撃態勢へと切り替わります。敵の代わりに、そのとき元気に働いている神経を攻撃し始めるのです。

 彼らが攻撃する場所によって、こんなことが起こります。

・集中力を司る背外側前頭前野の神経が攻撃される → 頭がボーっとして集中できない
・体の情報を集める島皮質が攻撃される → だるくて疲れやすい
・やる気を生み出す帯状回が攻撃される → 無気力に陥る

 これが多忙感の最終段階です。「忙しい忙しい」と動いていたのに、ある日突然頭が働かなくなり、ぐったりと動けなくなります。

第4回につづく第1回から読む

※菅原洋平・著『多忙感』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成

『多忙感』著者の菅原洋平氏

『多忙感』著者の菅原洋平氏

【プロフィール】
菅原洋平(すがわら・ようへい)/作業療法士。ユークロニア株式会社代表。国際医療福祉大学卒。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニック(東京都千代田区)で薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。その活動は、テレビや雑誌などでも注目を集めている。主な著書に、14万部を超えるベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、12万部突破の『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』(文響社)など多数。

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