食洗機、床下収納…一見「便利」そうに思えても
10数年前、愛知県内に立派な自宅を建てたOさん(50代/女性)が持て余しているのはビルトイン型の食器洗い乾燥機(食洗機)だという。
「家を買うことになり、友人にあれこれ相談している時、食洗機を猛プッシュされたんです。『食洗機に放り込むだけ』『食後の憂鬱な時間がなくなる』などと言われて、それはいいなと心が動きましたが、デメリットも聞くべきでした。
そもそも、“予洗い”というものが必要だということを知らなかった。それに、使用NGの食器も予想以上に多かった。それなりのグレードのものを買ったのに、乾くまでに相当時間がかかり、音もかなりうるさい。汚れが落ちずに結局自分で洗い直すパターンも多く、期待値が高かっただけにガッカリ感がすごかったです。食洗機はシンクの横にありますが、つくりつけなので、完全に無用の長物と化しています」
京都市に住むYさんが(40代/男性)が「まったく使っていない」というのは床下収納だ。
「我が家は縦に細長い3階建ての狭小住宅。キッチンも狭苦しいので、床下収納のオプションをつけました。デッドスペースを有効利用すれば、その分少しでも居住スペースを広くとれるかなという考えです。
しかし結果的には全く役に立っていません。出し入れする際はいちいちキッチンの床に這いつくばることになり、億劫で仕方ありませんし、そもそも日頃から目につかないので、何を入れていたか忘れてしまう……。住み始めた年の年末に大掃除をしたらホコリがたっぷり溜まっていてドン引きでした。決定打は、実家から送られてきた米を取り出そうとして重みで腰をやられ、“2度と使うか”と」
なかなか理想のキッチンまわりを実現するのは難しい。後編記事では、買い手をその気にさせる“売る側”のセールステクニックを紹介する。
■後編記事:「付けなきゃよかった…」後悔する人も多いマイホームの「オプション」 販売側の落とし文句は「一生使い続けるなら」「完成したら設置できない」…家という大きな買い物の前では感覚も麻痺