幸せな「老後ひとり」をどう実現するか(イメージ)
どんなに仲睦まじい夫婦でも、いつかは必ず「ひとり」になる日が来る。だが、その後の日常は寂しく、辛いばかりではない。配偶者に先立たれた後も充実した人生を送る人々は確かにいるのだ。彼らは何が違うのか。ひとりの人生を幸せに生きる条件を探った。
寂しさがない人は「1日の暇な時間が平均2時間17分以下」
15年前に妻を亡くした都内在住・70代男性は現在ひとり暮らし。男やもめの生活が長いが、自由を満喫できる毎日が楽しいという。
「誰にも気を遣わず、やりたいことを全部自分で決められることがひとり暮らしの一番の利点。毎日家事を自分で行なう必要がありますが、慣れれば頭を使うし生活のリズムにもなっていい」
高齢者のひとり暮らしは「孤独死」のリスクがあり、特に妻に先立たれた男性は大半が寂しさに苛まれて暮らすイメージがあるが、実態は異なるという。『老後はひとり暮らしが幸せ』(水曜社)の著者で、長年にわたり独居高齢者の生活を調査してきたつじかわ耳鼻咽喉科院長の辻川覚志医師が言う。
「60代から90代の男女1068人にアンケートしたところ、どの年代もひとり暮らし世帯のほうが家族同居世帯より生活の満足度が高かったのです。ひとり暮らしの半数以上が寂しさや不安を感じておらず、今の生活に満足していると答えた人は70%以上にのぼります。一方で家族と暮らしていても会話がない、心が通わないなどの声も多く、同居=幸せとは限らないことが分かりました」
幸せな独居世帯がやっていること(その1)
興味深いのは、辻川医師が60歳以上の男女570人に行なった別のアンケート調査だ。その調査では、「寂しさがない」とする人は「1日の暇な時間が平均2時間17分以下」という結果となった。
「ひとり暮らしの生活満足度を上げるには、1日のうち“何もすることがない時間”をおおむね2時間以内にすることが重要だということが分かりました」(辻川医師)
それには夢中になれることを作り、色々と考えを巡らせてしまう時間を減らすことが大切になる。冒頭の70代男性が言う。
「妻が他界した時はまだ現役で仕事が忙しくて気が紛れたが、定年間際に“今後暇になったら寂しくなるのでは”と思いました。そこでシニア大学に通って英語の勉強や講義を聞きに行き、仲間ができました。今でも同窓会を開いたり、そこでできた仲間とはよく集まっています」
次から老後のひとり暮らしを幸せにする条件を見ていく。

