人生最後の5年に向け、どんな準備を進めればよいのか(写真:イメージマート)
死が漠然としたものではなく、いよいよ現実味を帯びてくるのが、「人生最後の5年」だ。この間にどんな準備をするかによって、憂いなく旅立てるかどうかが決まる。親子で知っておきたい「逝く準備」と「見送る準備」を専門家に聞いた。
「あと5年」を意識した人間関係の整理
帰省時に親の体の衰えを見るにつけ、「そろそろか……」と思う一方、整理せずに放置してきた問題が頭をもたげる人は少なくないはずだ。都内在住の50代男性が語る。
「昔は正月には実家に叔母夫婦が必ず訪れてみんなで祝いました。10年前に祖父が亡くなったのを機に、同居して世話をしてきた父が何もせずに口だけ出す叔母夫婦に堪忍袋の緒が切れたのです。年賀状のやり取りすら途絶え、今では実家で叔母の名前を口にすることすらできません。父が亡くなった時、叔母夫婦を葬儀に呼ぶべきなのかどうか……。そもそも叔母に連絡していいのかどうかもわからず、今から頭を抱えています」
人生最後5年 親子でやっておくこと
親がトラブルの種を残したまま亡くなると残された家族が苦しむことになる。そうしたリスクを避けるための準備をするうえで重要な節目となるのが、人生の「最後の5年」だという。『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』(アスコム)の著者で、これまで4000人以上を看取っためぐみ在宅クリニック院長の小澤竹俊医師が語る。
「日本人男性の平均寿命は81.09歳ですが、70代の半ばになると認知症など要介護になるケースも多い。平均寿命の5年前からは、“人生がいつ終わってもいい”と考えて備えておかなければならないのです。元気に動ける健康寿命が72.57歳ということを考えると、70歳になった時点で『あと5年』を意識して準備を始めるくらいがいいでしょう」
具体的にどんな準備を進めればいいのか。まず重要なのが人間関係を整理することだ。一般社団法人シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどり氏が指摘する。
「最晩年はきょうだいや親族について悩む人が多くなります。特に“微妙な距離”の身内がいるとそれが顕著になる。病状は伝えるか、葬儀に呼ぶか、最後に和解しておくべきか、といった悩みが現実に迫ってくるからです」

