「注意したらハラスメントと言われそうで…」先輩社員の苦悩
こうした状況を受け、企業側でもあらためて新人教育に力を入れるなど、対応を模索する動きはあるが、現場では「研修程度では意識改革が追いつかない」との諦めの声も出ている。某テレビ局に勤めるディレクターの男性・Cさん(30代)は、「コロナ禍以降、新入社員のリスク管理意識が低くなっていることを実感します」という。
「コロナ禍以降、オンライン面接が導入された頃からでしょうか、新入社員の質というか雰囲気が変わった気がしています。何が原因か断定しづらいですが、情報管理に対する、当たり前の常識がないというか……。もちろん、研修もしているんですが、私生活とSNSと仕事が地続きのような感じがするんです。
先日、新卒で入ってきた女性社員が『このあいだ、仕事でアイドルの○○に会えて、こんな絡みしたんだって友達に話したら、めちゃくちゃ羨ましがられました(笑)』、『今度の収録に△△が来るんだよって自慢しました』などと悪気もなく言いふらしていて……。もちろん注意しましたが、申し訳なさそうに謝るでもなく、黙ってふてくされてしまうんですよね。もしかしたら、社内の様子もSNSに載せているんじゃないかな、とヒヤヒヤしていますが、ハラスメントと言われそうでどこまで介入してよいものか……」(Cさん)
このように当人たちが「悪いこと」と自覚していないうえ、先輩社員からの細かな注意もハラスメントと指摘されかねない風潮があり、そうした要因が複合的に合わせさって、対策の困難さにつながっていると推測される。
SNSが生活のなかに深く浸透しているZ世代。なかでも「リアルな日常」を発信することが目的のBeRealによる“うっかり情報漏洩”が組織全体にダメージを与えるリスクは小さくない。気軽に投稿した一枚の写真が、企業にとってどれだけ重要な情報を含んでいるのか──。学生のうちにこうした感覚を養わせることが、早期のリスク管理につながるのではないか。