かつて就職氷河期に就活をした女性たちは「されたこと」を忘れていない(イメージ)
いまでこそ“女性活躍社会”が躍起になってうたわれるが、就職氷河期の女性たちへの扱いは悲惨だった。先日は、そんな時代の女性当事者が、面接で“いかに理不尽な想いをしたか”を書きつづった投稿が共感を集め、怨嗟の声が続々と集まっていた。自身も氷河期世代である、働き方専門家の千葉商科大学教授・常見陽平氏が、氷河期世代の女性の“扱われ方”について振り返る。
「男が欲しいんだゴメンネ☆」
就職氷河期関連の話題が出ると、毎度「いかに悲惨だったか」という声が噴出する。政府は今年4月、「新たな就職氷河期世代等支援プログラム」として、「今とこれからの不安を希望に変える」ための支援をあれこれと打ち出したが、その世代はもはや40代~50代。そうしたなか、今回の件を受けてSNSでは、“ひどかった”という企業名をハッキリと明記した投稿群がバズっていた。当時、面接で体験した理不尽なやり取りを振り返った投稿を発端に、女性を称するアカウントから“被害”報告が続々と集まった。
「女は採る気ない」とか、「男が欲しいんだゴメンネ☆」とか、「ハッキリ言うけど女の子はウチで出世させないよ。そんなシステムないし、どうせみんな寿退社するから産休育休取れないよ」と言われたとか……。
〈「東大生でも女は採らないよ、残念だったね」と言ったおっさんの銀行、後に潰れた〉
〈「正直、女性には身体でネタを取るくらいの覚悟がないとね」と言われてから大嫌い〉
就職氷河期当時は、やっとインターネットが普及し始めた頃。就職氷河期の後期には2ちゃんねる、「みんなの就職活動日記」(みん就)のようなネット掲示板が存在したものの、SNSなんていうものはなく、学生たちは怒りや恨みをリアルの友人たちにぶちまける以外の方法があまりなかった。
ただし女性たちは「覚えて」いる。今、「支援なんて遅い」とばかりに、あるいは「もう怖いものはないもんね」とばかりに声を上げる女性たちの胸中には、どんな思いが去来しているのか――。
改めて就職氷河期、学生だった女性の可能性を摘んだのは、社会責任、会社責任だ。それを振り返ることで、社会がいかに男性中心だったか、またその後「男女共同参画」が叫ばれつつも、本当に社会は変わってきたのかという疑問も明らかになろう。
