「所有の実感」がもたらす安心感
金に投資してみたけれど、数字やデータだけ並ぶのは嫌でやめてしまった。そんなわがまま放題な僕の悩みにおいて、最高の解決策となったのが「純金積立」でした。
これは、毎月決まった金額で実物の金をコツコツ買い増していく仕組みです。特に魅力的だったのは、一定量(500gや1kgなど)が貯まると、金貨やインゴット(延べ棒)の形で現物を引き出せるという点でした。
ETF では得られなかった“所有の実感”がここにはあるのです。デジタルの数字ではなく、自分の手で触れられる「資産」を持てる。それだけで、投資の手応えがまったく違うものに感じられました。
もちろん、合理主義の人から見れば「意味がわからない」と思われるかもしれません。現物の金を保有するには、いくつもデメリットがあります。まず、盗難や火災のリスク。売却時には貴金属店などに持ち込む必要があり、ETF より手数料も高くなりがちです。純粋にコスト面で比較すれば、ETF のほうが優れているのは間違いありません。
しかし、それでも僕は「現物」を持つ価値があると考えています。なぜなら、手触りのある“所有の喜び”が、投資を長く続けるモチベーションになるからです。
デジタルの数字を追うだけでは感じられない、「本当に資産を持っている」という実感。この実感こそが、相場が荒れたときでも慌てず保有を続けられる心の支えになる。僕にとっては、多少のコスト差よりも、その価値のほうが大きいのです。
投資には正解がありません。効率を重視するなら金のETF。僕みたいなタイプの所有の喜びを求めるなら純金積立。自分に合った方法を選べばいいと思いますし、僕の場合は、たまたま後者だったというだけの話です。
※国山ハセン・著『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』(徳間書店)より一部抜粋して再構成
【プロフィール】
国山ハセン(くにやま・はせん)/1991年生まれ、東京都出身。中央大学商学部卒業。2013年、TBSテレビに入社。数々の番組でメインMCなどを務め、2021年8月からは報道番組『news23』のキャスターも務める。2022年末をもってTBSテレビを退社し、ビジネス映像メディア「PIVOT」に参画。さまざまな動画コンテンツの企画・制作に携わり、なかでもMCを務める『MONEY SKILL SET(マネースキルセット)』『MONEY SKILL SET EXTRA(マネースキルセット・エクストラ)』は資産運用の学びの番組として大きな人気を博している。2025年、アメリカでFOX UNION Inc.を立ち上げ、日本発のグローバルメディア「UnKnown」を合わせてローンチ。著書に『アタマがよくなる「対話力」』(朝日新聞出版)がある。
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