「役満」を上がった人たちの名前が掛けられている「麻雀ルーム」。凄腕の医師・個人投資家たーちゃんさんの名前も掲げられていた
株式投資の達人たちは闘牌をしながら、どのような会話をしているのか──。日経平均株価は史上最高値圏で推移しているが、中東情勢の混乱が収まらないなど依然として先行き不透明な状況にある。そうしたなか、株式投資で億超えの資産を築いた億り人たちは相場にどう向き合っているのか。
5月上旬、資産5億円超の専業投資家・某哲也さんの自宅で「億り人だらけの麻雀大会」が開かれるという情報をキャッチした、麻雀歴40年余のマネーポストWEB記者・入江一氏が、麻雀という勝負の世界で億り人がどのように戦い、そこに投資との共通点があるのかを現地取材した。
運と実力の両方が影響する「期待値ゲーム」
集まったメンバーは、某哲也さんをはじめ、元手40万円を4億円超に増やしている「ゆうと」さん、投資の累計利益額が約8億5000万円に上り、『やさしい株のはじめ方』など資産運用サイトの管理人である「ひっきー」さん、バリュー投資家の「しん」さん、同じくバリュー投資家の「シェル」さん、そして元証券ディーラーで童話をモチーフにしたマネー本の著者である「マネー・ヘッタ・チャン」さんの6人だ。
某哲也さん宅での麻雀大会は、株で大勝ちしている億り人たちが麻雀の腕を試す場でもあり、多い時は週1回のペースで億り人たちが集まっているという。
「堂々とはっきり言っておきますが、1円も何も賭けないノーレートで打っています」と某哲也さん。賭けを一切せず、真剣に麻雀の腕を競っているという。平日昼間の取引時間中に麻雀を打っている間に保有株が暴落して1億円ほど損失が出ていても、株取引のリカバリーを図りもせず、ひたすら打ち続けた億り人もいたほど、常に白熱した闘いが繰り広げられている。負けても1円も何も一切損しない麻雀にそこまで真剣になるのはなぜか。
某哲也さんが説明する。
「みなさん負けることが何より嫌いな人たちなので、賭けない麻雀でも十分に成立しています。投資はよく“ギャンブル”と言われますが、成果を出している投資家ほど“マイナスの期待値を嫌う人たち”で、一か八かのギャンブル的なプレイに魅力を感じません。
麻雀やパチンコも“賭け事”というイメージが強いかもしれませんが、本来は必ずしも賭けを前提とした遊びではなく、運と実力の両方が影響する『期待値ゲーム』と言えます。私自身、子供のころからの麻雀を通じて期待値を肌感覚で理解するようになり、『感情を排して期待値を考える脳』が自然と鍛えられました。
株式投資における判断も、この『期待値』で考える力に基づいていて、それほど株式投資と麻雀などの相関性は強いと思います。だから、投資で成功している人ほど“賭けなくても真剣に楽しめる”ことに違和感がないわけです」
そんな真剣勝負の最中でも、やはり億り人が集結しただけのことはある。投資の話がたびたび交わされた。
