アパレル店員時代には月900万アクセスを稼ぐブロガーに(撮影:杉原賢紀)
動画投稿サイトやSNSの「個による発信」に注目して「インフルエンサーマーケティング」のマッチングサービスである『toridori marketing(トリドリマーケティング)』を提供する式会社トリドリ(東証グロース・9337、以下toridori)の中山貴之・代表取締役社長CEOは、「東京・渋谷でアパレル店員をしていた時代にガラケーで書いていたブログがビジネスの原点」と語る。ブログのアクセスが月900万を超えタイアップ記事を依頼されるようになったが、当時、ブログの広告収入が10倍以上に“化けた”ある出来事があったという。中山氏に話を聞いた。(取材・文/池田道大)
個人の情報発信の力を肌で感じたアパレル店員時代
SNSの普及とともに個人が様々な情報を発信して世の中に影響を与えるようになった。そうしたなか、多数のフォロワーを持つ「インフルエンサー」に商品やサービスのPRを依頼したい企業をマッチングする事業を手掛けるのが株式会社トリドリだ。
「『個の時代』の、担い手に。」をミッションに掲げる同社は、「インフルエンサーマーケティング」(インフルエンサーを活用した商品やサービスのPR)をメイン事業とする。創業者で代表取締役社長CEOの中山貴之氏(36)はアパレル店員、カリスマブロガー、人気YouTuberという異色の経歴を持つ。保有する株式の時価総額が39億円に達し、マネーポストWEBが報じた「平成生まれの保有株億万長者」ランキングに登場したこともある(関連記事参照)。
中山氏が起業したきっかけは、趣味で続けていたブログで収入を得たことだったという。
中山氏は高校卒業後の2008年に故郷・徳島から夜行バスで上京し、渋谷のアパレルショップで「ギャル男店員」として働いた。読者モデルやブロガーとしても活動し、ブログが最大月900万アクセスを稼ぐようになると企業から商品やサービスのタイアップ記事の仕事を依頼されるようになった。
「お願いされた商品やサービスについてブログに書くと3万円や5万円をもらえる。ブログを書くだけでお金がもらえるなんてラッキーという感覚でした」(中山氏・以下同)
当初は気軽な小遣い稼ぎの感覚だったが、企業からの依頼はひっきりなしで、ブログを見たお客さんが数十人単位でショップを訪れるようになった。個人の情報発信が力を持つことを肌で感じたが、得られる報酬は企業から決められた金額のみ。中山氏は、次第に「自分のブログの本当の影響力はどれくらいなのだろう」という疑問を抱くようになった。
