Rickyさんが割安な優良銘柄の選定について解説(撮影:杉原賢紀/小学館)
株を割安で買うために重要な指標の代表格とされるのがPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)。購入した株を売らずに持ち続けることで年間800万円超の配当収入を手にしている“億り人”の個人投資家・Rickyさん(50)は「PERとPBRは割安銘柄選定の“神指標”」と指摘する。
「古今東西、理想的な買い物とは『良い品を安く』です。投資もまったく同じだと思っています。増配が期待できるような優良銘柄をいかに割安で買うかが重要です」(Rickyさん)
では、どのように割安な優良銘柄を発掘しているのか。Rickyさんが実践する「配当金の最大化を目指す銘柄選定法」も併せて解説する。
年間800万円超の配当収入を実現した自身の投資手法を公開した新著『年収300万円から年配当804万円をもらう「激・増配株」投資入門』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
PERとPBRに勝る優れた“割安”指標はない
株が「割安」とは一体どういうことでしょう。
ここで使うのがPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。この2つの指標は、数多ある指標の中でも最重要指標だと思っています。細かいマイナーな指標も含めれば、割安銘柄を選定するための指標はおそらく30ほど存在します。
私も一応すべてチェックはしていますが、やはりPERとPBRに勝る優れた指標はないと思っています。
まずPERの計算式です。
PER(株価収益率)=株価÷EPS(1株純利益)
現在の株価が1株あたり純利益の何倍で取引されているかを表す指標です。
例を挙げます。
A社:PER 10倍=株価1000円÷EPS100円
B社:PER 20倍=株価1000円÷EPS50円
同じ株価1000円のA社とB社ですが、A社は1株あたり100円の純利益であるのに対してB社は50円。A社のPERは10倍、B社は20倍となります。これだけを見ればA社のほうが割安だといえるわけです。
次にPBRの計算式です。
PBR(株価純資産倍率)=株価÷BPS(1株純資産)
現在の株価が1株あたり純資産の何倍で取引されているかを表す指標です。
C社:PBR3倍=株価3000円÷BPS1000円
D社:PBR0.8倍=株価800円÷BPS1000円
同じBPS1000円のC社とD社ですが、C社の株価は3000円であるのに対しD社は800円。よってC社のPBRは3倍、D社は0.8倍となります。割安度でいえばD社に軍配が上がるわけです。
PERとPBR、この2つの指標が株式分析の歴史とともに存在し、今なお主要指標として活用されているのも当然です。
上記のようにPERを見ることで利益面から見た割安度を、PBRを見ることで資産面から見た割安度を知ることができます。
「グロース株投資」と「バリュー株投資」の違い
ではPERとPBRが低い銘柄に投資をすればいいのかというと、当然そんな甘い話ではありません。
再度、A社とB社の比較を思い出してください。PERの分母はEPS(1株純利益)でしたね。そこでA社のEPSが100円の状態でずっと変わらなかったと仮定します。
対してB社のEPSは30円35円40円45円と増えて今期50円だった場合はどうでしょう。
PER とEPS推移の比較(『年収300万円から年配当804万円をもらう「激・増配株」投資入門』より)
少し景色が違って見えてきますね。B社のほうが割高なことに変わりありませんが、投資家の中には今後の成長に期待してB社を選ぶ人もいそうです。
PBRも同じです。分母であるBPSがより堅調に伸びていると投資家が判断すれば、現時点で割安なD社ではなくC社を選ぶ人も出てくるでしょう。
一般的に成長力を重視した投資を「グロース株投資」、割安度を重視した投資を「バリュー株投資」と呼びます。
どちらが正解、不正解ということはありません。どちらの投資スタイルでも歴史的に財を成してきた人はたくさんいます。

