閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
大竹聡の「昼酒御免!」

【大竹聡の昼酒御免!】今の若者は「なめろう」や「キヌカツギ」を知らないって本当? 昔の空気が色濃く残る「三軒茶屋の昼飲みの聖地」で女将と作家を偲ぶひとり酒

暑い季節は特にこのシャリキンがたまらないのだ

暑い季節は特にこのシャリキンがたまらないのだ

なめろうって何よ?

 坪内さんと出会った店で、坪内さんを読もうと1冊持参してきたが、隣のテーブルが賑やかで、とても本など読めない。そこで思い出の酒でもあるキンミヤ焼酎をもらうことにした。アルミパックごと凍らせてあるシャリキンがあった。今度は、飲み方わかりますか、とは訊かれなかった。

 そこへ鯵のなめろうが運ばれてきた。見れば隣の兄さんたちのテーブルにも、なめろうが出ていた。私はここで、また度肝を抜かれることになった。

 一人の兄さんがこう言いながら箸を伸ばしたのだ。

「これがなめろう? なめろうって何よ」

 兄さん、なめろうを知らんのか! 驚愕する私の耳に、ひと口食べた兄さんの衝撃のひと言が飛び込んできた。

これがなめろう。当然のことながらうまい

これがなめろう。当然のことながらうまい

「なにこれ、ユッケみたいじゃん。うめえ! え? これ、何味?」

 味噌だよ、味噌! よく覚えておけよ。なめろうのうまさを知ったならば、今日が君の人生の変わり目だ。

 私は、あきれ半分だが、どこか嬉しくもあった。気のいい兄さんが、房総の漁師料理であるなめろうのうまさを知ってくれたのだ。それだけで嬉しいし、亡くなった女将さんも喜んでいることだろう。私は、ジョッキの中で溶けていくキンミヤのハイサワー割りを、またひと口ぐびりと飲むのだった。

次のページ:最後はくじらで締めた

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。